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Article10 シリーズ4:被災者起点を忘れない。“法律”が被災者のためにできること。
−宮城県気仙沼市−

被災地自治体シリーズ第4弾は宮城県気仙沼市です。法テラスでは被災自治体へのスタッフ(常勤)弁護士派遣を行っています。今回は、法テラス南三陸のある南三陸町に隣接する気仙沼市で職員として勤務中の山本桂史常勤弁護士に市役所での仕事の様子についてお話を伺いました。
気仙沼市・山本桂史弁護士
 

Q.なぜ弁護士を志したのですか。また気仙沼市役所への派遣の経緯を教えていただけますか

 私が大学を出るころは就職氷河期で、「手に職をつけなければ!」と思い、4年生から勉強を始め、塾の講師などをしながら7回目の挑戦で司法試験に合格しました。あらかじめ「どういう弁護士になろうか?」というはっきりしたビジョンを持っていたわけではなかったのですが、司法修習や就職活動の中でどのようなスタイルが良いのかが段々と分かってきました。弁護士になるまで紆余曲折があった私には、司法過疎地域に行って、弁護士を利用したことがない、弁護士に会ったこともない人と辛抱強く付き合いながら何とかその人たちの権利を守るというスタイルが合っているのではないかと思いました。ストレートで司法試験に受かっている弁護士だと、依頼者との話をさっさと切り上げてしまう人もいると聞きます。依頼者にできる限り寄り添うというスタッフ弁護士の仕事は、自分の性格に合っており、経験も活かせていると感じます。
 私が気仙沼市役所に来たきっかけは、法テラス本部から被災自治体へ任期付公務員として出向しないかという打診があったことです。私は、被災者支援に関心はあったのですが、山口県でスタッフ弁護士として働いていたため震災対応の業務はほとんどなかったので、これを機に法曹として震災からの復興にかかわることができるのではないかと思い、出向を決意しました。

Q.気仙沼市役所内ではどういった仕事をされていますか

 市役所の業務で生じる色々な法律的問題について職員の方から相談を受けてアドバイスをしています。相談内容は、やはり復興事業に関するものが多いです。例えば、復興事業では、津波で家が流されてしまった方の住宅を作るためには土地を確保していかなければなりません。また、工事の際に出た土や、津波で生じた廃棄物を処理するためには、一旦どこかに置かなければならないので、何かと土地が必要になります。土地を確保する時に市民から借り上げたり、寄付していただいたりしますが、その際には契約が必要です。こういう契約内容でいいのか、という相談が多いですね。また、不動産登記簿上の所有者が行方不明であったり、何代も前の人物が名義人になっていたりする事案などは市で経験したことがほとんどないとのことで、弁護士としての知識、経験を生かせる分野です。その他、市の保有する債権回収の手続きに関する相談など、復興に直接関係しない相談を受けることもあります。相談に回答するには、法的に正しいだけではなく、できるだけ迅速かつ容易に実行できる手段を提示することが求められるので、そこが難しいところでもあります。
気仙沼市役所

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