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Article16 法テラスの事件を担当して −現場から見た法テラス−

 法テラスの≪民事法律扶助≫は、法テラスとこの制度を使う契約を交わしている弁護士・司法書士が担っています。全国で約17,800人の弁護士と、約6,300人の司法書士が法テラスと契約しており(平成26年7月現在)、その数は年々増加しています。
≪国選弁護制度≫も同様で、法テラスと契約した弁護士が被疑者・被告人の国選弁護人になります。

 民事法律扶助と国選弁護の両方を契約している斉藤耕平弁護士に、弁護活動の現場から、法テラスの制度について思うことをお聞きしました。

斉藤耕平弁護士
埼玉東部法律事務所。平成18年弁護士登録。埼玉弁護士会所属。

まずは信頼関係を築く。相手の話に耳を傾けることを何よりも大切にしています。

現在の仕事を教えてください。

 民事事件や刑事事件の受任をはじめ、様々な活動をしています。
 民事事件では、離婚や相続、交通事故の損害賠償、債務整理などのほか、労働事件(雇用者側)、医療事件(患者側)、賃貸借契約のトラブルといった事件の法律相談を受け、受任しています。
刑事事件の受任も多い方だと思います。殺人事件は今まで6件担当しました。すべて、国選事件です。
 そのほか、民法(債権法)改正議論について、現在、日弁連司法制度調査会の委員として、日弁連意見のとりまとめ作業に関わっています。また、埼玉の弁護士と裁判官による定期勉強会において、同テーマで1年間講演をしたりしました。

今まで受任した刑事事件で印象に残っているものはありますか。

 2件あります。
 妊娠後、病院で受診をしないまま、自宅のトイレで出産した子どもを殺害した若い女性の事件は今でもよく覚えています。彼女の行為は許されるものではありませんが、彼女自身もこれまでの人生で深い心の傷を負っていて、妊娠後しっかりと人と向き合って話したのは皮肉にも弁護人だけだったという、とても悲惨な事件でした。
その後、服役した本人から、出所して新しい人生を歩んでいるとの連絡があり、それを聞いて本当に嬉しく思いました。彼女には幸せになってもらいたいと心から願っています。

 また、ホームレス生活を送っていた中年の男性がスーパーで万引きをして起訴された事件がありました。地元のNPO法人に協力をお願いし、執行猶予がついた場合に備え、釈放後に生活保護を受給するまでの間の生活基盤を確保するという弁護活動を行いました。これをきっかけに、所属する弁護士会で困窮状態の被疑者・被告人の生活基盤を確保する弁護活動が制度として確立しました。熱意のある弁護士の方々の活動あってのものですが、そのきっかけを作れたことは幸運でした。
事務所の相談室

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