支援センターについて
理事長あいさつ

私が理事長に就任して1年が経ちました。

 平成26年度における、コールセンターでの情報提供の件数、法テラス地方事務所等にて実施される法律相談援助の件数はいずれも前年比でやや増えています。しかし、倒産事件の減少を背景に、弁護士・司法書士の代理援助件数及び書類作成援助件数、並びに「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律」いわゆる震災特例法に基づく被災地の弁護士・司法書士の震災代理援助件数及び震災法律相談援助はほぼ横ばいです。民事の相談内容が、金銭の借入の問題より男女・夫婦や相続・遺言の問題が増えているのも近時の傾向です。国選弁護人選任件数もやはり近時の犯罪件数の大幅な減少を反映し減っています。しかし、犯罪被害者支援業務関連の受付件数については、総数は少ないとはいえ、増加傾向が続いています。

 法テラスは今年の4月からちょうど設立10年目という節目の年を迎えます。これまでの間、被疑者国選の拡大、犯罪被害者支援の強化、震災法律援助業務の新設、ハーグ条約の対応など着実に業務の範囲を広げてきました。
先例のない司法的救済のセーフティネットを構築しようとした設立時における関係各位の御苦労、この9年間の発展を支えてこられた先輩理事、職員の御苦労や御尽力、法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会そして多くの契約弁護士、司法書士各位の御支援に厚く感謝申し上げる次第です。

 設立当時、起訴前の国選制度(被疑者国選)が数千件試行的に導入された際、全国どこでもいつでも(真冬でも)24時間以内に国選弁護人候補者を指名通知(確保)できるかどうかがずいぶん心配されました。今や被疑者国選弁護の請求件数は当時の10倍以上となっていますが、同指名通知の99%以上は24時間以内になされています。
 東北の7か所の被災地出張所では、地元公共団体、地元弁護士会・司法書士会・税理士会などの関係団体など各方面の御協力のもと、専門家が交代で被災地に赴き、長引く避難生活に疲弊しながらも再開発事業などに伴う法律問題への対応を余儀なくされている多くの住民の方々に対し、多様な情報と相談窓口の提供を行うことで、復興に貢献しています。
 おかげさまで、今般、時限立法だった震災特例法が改正されたことで、期間が三年間延長され、引き続き東日本大震災の被災者の方々に対しニーズに応じた適切な支援を行うことができることとなったのは誠に嬉しいことです。

 最近、法テラスの新しい業務範囲として、DV・ストーカー・児童虐待の被害者や認知機能が十分でないことで弁護士等のサービスの提供に辿りつけない方々を対象とした、資力を問わない法律相談実施等を内容とする法的支援の在り方が立法課題として挙げられています。また、刑事の分野でも、被疑者国選の対象事件の範囲が拡大され、被疑者国選事件の件数が現在よりも4割増加する方向での法改正が準備されています。
業務の大幅な拡大が議論されることは、法テラスの実績に対する信頼があるものと誇らしい気持ちの半面、今検討されている課題自体は迅速な対応が求められている上、それぞれが厳しい課題を抱えています。体制整備や研修は容易ではありません。国民の方々から寄せられている期待に我々が果たして答えられるのか、立法の動きを注視しつつ身の引き締まる思いでおります。節目の年を迎え今後一層の当センターへの御支援をお願いしつつ、簡単ではございますが一言ご報告申し上げる次第です。

平成27年4月10日
日本司法支援センター
理事長 宮ア 誠

宮ア 誠(みやざき まこと)理事長プロフィール
昭和19年6月5日生
昭和42年3月   京都大学法学部卒
昭和42年4月   司法修習生(21期)
昭和44年     弁護士登録(大阪弁護士会)
平成4年4月    大阪弁護士会副会長
平成16年4月   大阪弁護士会会長
           日本弁護士連合会副会長
平成20年4月〜平成22年3月
           日本弁護士連合会会長
平成22年〜平成23年
           法務省「検察の在り方検討会議」委員
平成23年     法務省法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」委員
平成25年9月   内閣官房「法曹養成制度改革顧問会議」顧問


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