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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

暴走自転車 自動車と同じ「車両」 重い責任、高額賠償例も

 「危ない!」。そう叫んでブレーキをかけた時にはもう遅かった。歩行者のお年寄りはスポーツタイプの自転車に直撃され、激しくもんどりを打って倒れた。
 無我夢中で119番。救急車がサイレンを鳴らして走り去り、住宅街の十字路で出合い頭にお年寄りをはねてしまった恐怖感が、じわじわと膨らんできた。
 お年寄りは腰を骨折して重傷という。警察官に状況を説明しながら、自分の進行方向の路面に「止まれ」とあり、一時停止の標識も立っていることに初めて気が付いた。

イラスト:久保山 知里(共同通信社)

一時停止違反による人身事故だ。自転車がいったん停止していたら事故は起きなかったケースであり、自転車側の過失責任は免れないだろう。
 自転車だって車だ。道交法上は「軽車両」に分類され、自動車やオートバイなどと同様にさまざまな規制を受ける。
 一時停止だけでなく、一方通行や進入禁止といった道路標識は「軽車両を除く」などの補助標識がなければ、自転車にも適用される。歩行者を優先させなければならないし、万一事故が起きた場合には負傷者の救護義務もある。酒気帯び運転も禁止。いずれも違反すれば刑事罰の規定がある。
 近年、自転車と歩行者の事故は増加傾向にあり、2011年には2900人近くが死傷した。こうした状況に、危険な自転車運転の取り締まりは強化されている。
 免許不要の自転車には行政罰である反則金制度がなく、刑事罰だけ。前科になってしまうため、従来は警察が摘発しても検察庁が起訴猶予にしていたが、最近では悪質な場合は罰金を求めて略式起訴する方針も打ち出している。悪質運転者に講習を義務付けるなどの道交法改正の動きもある。
 自転車でも事故を起こしたら責任は重大だ。下り坂で自転車を片手運転して歩行者と衝突、死亡させ、裁判所に約6800万円の賠償を命じられた例がある。刑事面でも重過失致死傷罪などに問われることがあり得る。
 「自転車だから…」なんて思わないことだ。責任も危険性も自動車と変わらない。安全運転に徹し、万一に備えて事故賠償の任意保険に加入することをお勧めする。
(監修・法テラス)

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