ホーム > 最新ニュース > 掲載コラム一覧 > 共同通信コラム > 【共同通信】 パワハラ 扇風機向け「貧乏臭い」 6類型、同僚間でも成立

【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

パワハラ 扇風機向け「貧乏臭い」 6類型、同僚間でも成立

 この会社に営業マンとして入社して1年だが、もう耐えられない。なぜ、こんな仕打ちを受けなければならないのか。
 「とろくて仕事ができない」「ほとんど寄生虫」「営業に回ってこい。ただし、交通費が請求できると思うな」
 上司から浴びせかけられる罵詈(ばり)雑言。職場の懇親会の日には草むしりなどの用事を言いつけられることが多く、ほとんど参加できない。同僚までばかにするようになり「貧乏臭いから」と小型扇風機の風を常に私の席に向ける。悔しい。

イラスト:山田 紗英子(共同通信社)

 典型的なパワーハラスメントだ。
 厚生労働省の有識者会議では、パワハラを6類型に分けている。まず「身体的攻撃」と「精神的攻撃」。さらに、仲間はずれや隔離する「切り離し」▽無理な仕事を求める「過大要求」▽合理性のない仕事を命じる「過小要求」▽独身女性に過度に結婚を推奨するなどの「個の侵害」がある。
 無能扱いするような暴言が「精神的攻撃」に該当するのは当然だし、営業マンの業務とかけ離れた草むしりは「過小要求」に当たる。それが懇親会に参加させないためのものであれば「切り離し」と言わざるを得ない。
 パワハラには、職務上の地位だけではなく、人間関係などさまざまな優位性を背景に行われるものが含まれるから、先輩・後輩間や同僚間でも成立する。同僚が扇風機の風を故意に向けるのもパワハラだ。
 パワハラは被害者に大きな心の痛手を与える。自分に原因があると思い込み、自分を責める被害者もいる。自殺に追い込まれることすらある。程度によっては損害賠償などの民事責任、名誉毀損(きそん)や暴行などの刑事責任も発生する。
 被害者は一人で悩まず、誰かに相談してもらいたい。企業に設置されている相談窓口や法務局の人権110番、都道府県労働局の総合労働相談などがある。
 パワハラは、職場環境の悪化や人材流出といった形で企業にも損失をもたらす。男女雇用均等法は事業主にセクハラに適切に対処する義務を課している。パワハラについても、企業が啓発活動や解決の場設置などに取り組むことが重要だ。
(監修・法テラス)

このページに関するアンケート

Q1:このページの情報は役に立ちましたか?

Q2:このページの情報は見つけやすかったですか?

Q3:ご意見があればお聞かせください。

[お願い]
寄せられた個別のご質問等についてはお答えいたしかねます。従って、個人情報は入力しないでください。