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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

児童虐待 「放浪」もネグレクト 発見者には通報義務

 いつも同じ服装。うっすらと汚れている。髪はボサボサ。耳の後ろは黒ずみ、垢がたまっているように見える。
 その小学生ぐらいの男の子を見かけるようになったのは約1カ月前だ。コンビニの周りをうろつき、ごみ箱をのぞいていた。声を掛けたこともあるが走って逃げられた。
 2〜3度、中年男性と一緒にいるのを見た。彼が保護者だろうか。どこから来て、どこに住んでいるのか。学校は…。何とも気にはなるが、余計なお世話の気もするし、男性に尋ねるのも怖い。

イラスト:山田 紗英子(共同通信社)

 中年の男性が保護者だとすると、男児を連れて放浪生活をしている疑いが強い。十分な食べ物を与えず、身なりを整えさせず、学校にも行かせていないようだ。
 このような不適切な養育をすることは、児童虐待防止法が規定する虐待定義の一つ「保護者としての監護を著しく怠る」に当たると考えられる。つまり、ネグレクト(育児放棄)だ。
 防止法は、虐待を受けたと「思われる児童」の発見者に児童相談所(児相)などへの通報を義務付けている。放浪のケースなど住所、氏名が分からない場合は、まず警察に連絡して保護してもらい、警察から児相に通告してもらう手もある。
 2011年度に全国の児相が対応した児童虐待は約6万件で、年々増加している。例年、身体的虐待とネグレクトで全体の6〜7割を占め、ほかに心理的虐待や性的虐待がある。
 心理的虐待は「無視する」「兄弟で比較し極端に差別」が代表例だが、親が果たせなかった夢を過度に押し付けることなども該当するとされる。
 身体的虐待やネグレクトは、子どもの泣き声や外傷、身なりなどで周囲に分かる場合が多い。防止法の規定で、通報者の秘密は守られることになっている。「おかしい」と思ったら積極的に通報してもらいたい。
 通報を受けた児相は、児童の安全を確認し、必要なら一時保護してケアを進める。虐待した親も児相の援助を受けることが義務付けられる。
 子どもは社会の宝だ。育児を社会全体の問題ととらえ、地域でのサポート体制を構築することも重要だろう。
(監修・法テラス)

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