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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

公益通報者保護 内部告発で解雇は無効 ただし、厳しい要件

 こんな商売がまかり通っていいのか。うちは業界でも大手の機械部品メーカーなのに不正を主導するとは信じられない。
 入社して5年。だんだんと会社の裏側が見えてきた。うちが同業者に呼び掛け、高め設定した価格での商品納入を申し合わせていた。
 ヤミカルテルではないか。何も知らず高い代金を支払っている顧客に申し訳ない。何とか正したいが、下手に動くとクビになるかもしれない。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 勤務先の不正を何とか是正したい。しかし、内部情報を漏らすと不利益を受けるかもしれない。不正を発見した人が抱える当然の悩みだ。  こうした内部告発者を守る目的で、公益通報者保護法が2006年に施行された。  法人、個人を問わず民間事業所に勤める労働者や公務員が保護の対象。法定の要件を満たせば、内部告発したことを理由とする解雇・免職は無効だし、降格や減給、雑務への従事、損害賠償請求などの不利益な取り扱いも禁止される。
 要件の一つは告発の内容だ。不正であれば何でもいいのではなく、刑法や労働基準法など公益通報者保護法の別表に記載されている437の法律(13年5月現在)に違反する犯罪行為などに限定される。
 独禁法違反の価格カルテルはもちろん該当。汚職や産地偽装なども対象だが、刑法違反であっても社員の横領などは当たらない。国民の生命、財産や消費者の利益などにかかわるケースに限られるためだ。
 ほかの要件はどこに告発するかで異なり、告発先が(1)勤務先内部(2)監督する行政機関(3)マスコミなどの外部―となるにつれて厳しくなる。
 勤務先内部なら「通報すべき事実があると思う場合」で足りるが、行政機関なら、そう信じる「相当の理由」が必要。マスコミなら、さらに「勤務先に通報すれば、証拠隠滅などの恐れがあると信じる相当の理由がある」などが加わる。
 もう一つ、内部告発が特別な利益を得るなどの「不正の目的」ではないことが大前提だ。過去の裁判例では、報復目的の内部告発と認定され、懲戒解雇が有効とされたケースもある。
(監修・法テラス)

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