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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

悪ふざけSNS 解雇は当然、損害賠償も 問われかねない刑事責任

 困った。いま大学3年生。アルバイト先のコンビニで、ふざけてアイスクリームのショーケースに潜り込み、スマートフォン(多機能携帯電話)で写真を撮った。軽い気持ちで短文投稿サイト「ツイッター」で公開したら大騒ぎになった。
写真から店名が分かり、フランチャイズ契約を解除されたコンビニは廃業に。僕の顔がはっきり写っていて即首になり、名前や大学名も特定され、インターネットで話題になっている。就職活動を前にどうすれば…。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 就業規則や労働契約書に解雇事由として「会社の営業を妨害したような場合」と記載されていれば、店側は問題なく解雇できる。そうした規定がなくても、学生の行為は店の社会的信用を低下させ、多大な損害を与えることになり、解雇されても仕方ないだろう。
 フランチャイズ契約の解除で店側には多大な損害が発生し、学生は損害賠償を請求される可能性がある。ただ、すべての損害について賠償責任を負うわけではない。学生の行為と損害に因果関係が認められる範囲に限られ、食材の廃棄費用や店舗の消毒費用、休業補償などが想定される。
 今後も同様のケースが続き、フランチャイズ契約の解除が頻発するようになると、同じことをしても賠償責任の範囲が広がるかもしれない。
 民事上の責任だけでなく、刑事責任も問われかねない。アイスクリームの売り物としての価値を損なったとすれば器物損壊罪、営業が妨げられたとすれば威力業務妨害罪に当たる。実際、コンビニの冷凍庫に入った写真を投稿した高校生らが威力業務妨害容疑で書類送検された例がある。
 スマホやタブレット端末が普及し、ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用し、誰でも簡単に情報発信できるようになった。
 ネット上に公開した文章や写真は短時間で拡散する。暴かれた実名や大学名はネット上でいつまでも検索できる状態になり、採用に影響が出かねない。
 欧州連合(EU)では、ネット上の個人データを削除する「忘れられる権利」が提案されているが、現実問題として容易でない。ちょっとした悪ふざけが重大な結果を招くことを忘れてはならない。(監修・法テラス)

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