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【共同通信】転ばぬ先の処法箋

根保証 通常の債務保証より怖い 慎重の上にも慎重対応を

 親友に頼まれたら、いやとは言えない。「迷惑は掛けない。融資を受ける保証人になってほしい」。そう言って頭を下げるのだから。
 あいつは大学を出て10年後に脱サラし、飲食店経営を始めて20年。新たな店舗展開に200万円の資金が必要だそうだ。
 腹は決めた。しかし、署名・押印を求められた書類を見て不安になった。金融機関宛ての「根保証約定書」。借りるのは間違いなく200万円なのに「極度額500万円」とある。大丈夫か。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 これが通常の債務保証なら200万円の返済義務を負うだけが、根保証はそうはいかない。貸主と借り主が貸し借りを何回も繰り返すことを前提に、最長5年間の一定限度額までの取引について保証するからだ。
 本件の「極度額500万円」根保証のケースでは、借り主が200万円を返済後に追加融資を受け、最終的に借金が1千万円に膨らんで債務不履行に陥った場合、根保証人は500万円までの返済義務を負うことになる。また、保証期間の満了時に借金が残っていたら、極度額までは通常の保証人として責任を負う。
 根保証では、借り主が追加融資を受ける際に根保証人に連絡する必要がなく、知らない間に借金額が増えることになる。途中で根保証人をやめたくなっても、代わりの根保証人を探して金融機関の了解を得るなどしない限り、難しい。
 保証契約は書面で結ぶ必要があるが、きちんとした説明がなく、根保証であることを知らずに契約した場合、根保証人は民法に基づき、錯誤による無効を主張できる。
 借金の保証は、友人や知人らから「迷惑はかけない」「必ず返済する」などと言われ、それまでの人間関係から仕方なく応じることが多い。慎重に対応することが必要だろう。
 なお、以前は金額や期間が無制限で責任を負う包括根保証の制度があったが、保証人の責任が過酷になりがちだったため民法が改正され、2005年から金銭貸付などでは認められなくなった。
 それ以外の根保証についても、根保証人の責任を軽減する方向で債権法改正の検討がなされている。(監修・法テラス)

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