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【共同通信】転ばぬ先の処法箋

ブラック企業  過酷労働、若者使い捨て 労基署などに相談を

 僕の同期入社は10人。期待に胸を膨らませてこの会社に入ったのに、わずか1年で4人になってしまった。入社当時は、すぐ上の先輩が少ないことを疑問に思ったが、多くが耐えきれなくて辞めていった結果だった。
 極端に休みは少なく、月80時間の残業なんてざら。相応の割増賃金ももらえない。考課制度もないのに、営業成績が悪いと基本給を減らされた。僕も辞めるつもりだ。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 不当に過酷な労働を強いて若者を使い捨てにする。いわゆる「ブラック企業」の疑いがある。  厚生労働省が2013年に、過重労働の情報が寄せられた全国の事業所約5100カ所を対象に実施した実態調査では、不当な時間外労働が43%、賃金不払い残業が23%など、8割に労働関係法令の違反があった。
 労働基準法が定める労働時間は原則として1日8時間、1週間40時間まで。時間外労働や休日労働に関する労使協定(三六協定)を結び労働基準監督署に届ければ、これ以上の労働も可能だが、厚労省は必要最小限にとどめるよう求めている。事業主には当然、割増賃金の支払い義務がある。
 長時間労働は健康への悪影響も懸念される。「月80時間の残業がざら」という勤務状態では、脳や心臓の疾患で死亡した場合に過労死と認定される可能性が高い。
 営業成績が悪いと基本給を減額することも、労基法に抵触する可能性がある。厚労省の実態調査を受けて、商品の売り上げなどが良くない場合に基本給の一部が支払われなかったケースについて、労基署が労基法違反で是正勧告をしている。
 労働組合がないか、頼りにならないようなら、労基署に相談するのも一つの方法。労働条件などに関する紛争は、全国の労働局や紛争調整委員会によるあっせん制度を使い、話し合いで解決する手もある。
 未払い賃金は、もちろん訴訟で請求できるが、それよりも迅速な解決を目指す、裁判所の労働審判制度も利用できる。
 働いただけの賃金をもらえないようでは、意欲を失うし、長時間労働は健康を害しかねない。「企業は人なり」。事業主は適正な賃金の支払いと長時間労働の抑制が、会社の発展につながることを忘れてはならない。(監修・法テラス)

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