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【共同通信】転ばぬ先の処法箋

性同一性障害 一定の要件で性別変更 理解広がり04年に特例法

   幼いころから「ままごと」より「チャンバラ」が好きだった。「超おてんばねえ」なんて言われてきたが、いつも何か違和感を覚えていた。「私は、体は女性でも心は男性なのではないか」と。
 いまでは確信している。会社でも、男っぽいスーツ姿。化粧はしないし、ハイヒールなんて持っていない。髪は短く刈っている。「おとこおんな」。陰でそう言われているのは知っているが、自分らしく楽に生きたい。

イラスト:久保山知里(共同通信社)

 心と体の性が一致しない性同一性障害。日本では十数年前からこの障害に対する国民の理解が広がり、2004年には性同一性障害特例法が施行され、戸籍上の性別変更ができるようになった。
 性別変更には家裁に審判を申し立て、許可を得る必要がある。特例法は要件として1.2人以上の医師が性同一性障害と診断2.20歳以上3.独身4.未成年の子どもがいない―などを規定。施行翌年の05年の性別変更は約230件だったが、12年は約740件に上っている。
 性別変更後、法令適用に当たっては変更後の性として扱われる。例えば女性から男性に変更した場合、女性と法律上の結婚ができるようになる。
 ただ、こうした夫婦の場合、生物学的に子どもができないことが明白なので、妻が人工授精などで出産しても、夫の子ではないことは明らかとして「非嫡出子」として扱われてきた。
 ところが最高裁が13年、特例法により、性別変更した者に結婚することを認めながら、妻が出産した子は夫の子と推定する民法の規定を適用しないのは不当と判断。「嫡出子」として扱われることになった。
 一方で要件を満たさないなどの理由で性別変更を断念する人も少なくない。職場に、性別変更はしてないものの性同一性障害に悩む職員がいた場合、上司や周囲が本人の意に反する性を強制するとセクハラになりうる。
 特例法施行前のことだが、女装を禁じる服務命令に違反したとして、会社が性同一性障害の男性を懲戒解雇したケースで、裁判所は本人の意向をくむ会社の努力が足りなかったなどとして、解雇を無効とした。
 性同一性障害に悩む人を自由な人格として尊重し、社会が受け止めていくことが必要だろう。
(監修・法テラス)

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