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【共同通信】転ばぬ先の処法箋

偽装質屋 無価値質草で高額融資 高利むさぼる悪徳業者

 「えっ、質草のいらない質屋?」。今月は何かと物入りで、年金生活の身には厳しいなんて話をしていたら、友人が「実質的に質草不要の質屋がある」と言う。本当なのか。思わず問い返した。
 質屋は質草相応のお金しか、貸してくれないはずだ。質草は期限内に元利を返せば返還してくれる。金利すら払わなければ処分されるが、債務もなくなるので安心。その質草が無価値なガラクタでも10万円前後は貸してくれるという。ただ年金受給者が条件。怪しい。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 近年、形だけの質草を取って融資し、年金などから返済させる「偽装質屋」が現れ、社会問題化している。法律を逆手に取り、質屋を装う方が高利をむさぼれると考えた悪徳な貸金業者だ。
 貸金業者の貸付金利は、出資法と利息制限法で規制されている。出資法の上限を超すと刑事罰の対象となり、利息制限法の上限を超すと超過分の金利は無効となる。
 以前は出資法の上限は年利29・2%で、利息制限法の上限(最高20%)との間の「グレーゾーン金利」も一定の要件を満たせば有効とされた。
 しかし、2010年に改正関係法令が完全施行され、出資法の上限が年利20%に引き下げられたため、グレーゾーン金利が消滅。これ以上の金利は無効の上、刑事罰にも問われるようになった。
 ところが質屋は、質屋営業法で年利109・5%まで認められている。そこで質屋の形態で融資したら、はるかに高い金利を得られると考えたわけだが、そうはいかない。質屋を装って暴利の貸金業を行ったとして、出資法違反容疑(高金利)などでの摘発が相次いでいる。
 偽装質屋は、年金受給者の場合、返済金を年金口座から自動引き落とししたり、年金口座の通帳やキャッシュカードを預かったりする。
 年金を担保にすることは、特定の公的融資以外は法律で禁止されており、質屋が年金口座から返済金を自動引き落としすることを不法行為とした裁判例もある。通帳やキャッシュカードを預かることも違法だ。
 偽装質屋の狙いは年金受給者らなので、被害に遭うのは高齢者が多い。もし利用してしまったら、すぐに法テラスや消費生活センター、弁護士会などに相談してほしい。(監修・法テラス)

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