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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

消滅時効 宝くじ当せん金は1年 給料なら2年、権利喪失

 えっ、うそ、やったあ。3千万円当たった! 蔵書をパラパラめくっていたら、出てきた宝くじ。そういえば、2年前の誕生日に何の気なしに買ったな―なんて思い出しながらネットで当せん番号を調べたら、なんと!
 半分は預金して、後は車に住宅ローンの繰り上げ返済…。そんなことを考えながら、いそいそと銀行に行ったら「申し訳ございません。時効です」と窓口の女性行員。じぇ、じぇ、じぇ。天国から地獄とはこのことだ。

イラスト:山田紗英子(共同通信社)

 権利は一定期間行使しないと、時効により消滅する。これが「消滅時効」だ。せっかくの当せん金を受け取れなくなるなんて無情な話だが、時効制度は「権利の上に眠る者は保護に値しない」の考えに基づいている。
 時効の起算点は「権利を行使することができる時」から。時効期間は権利(債権)の種類などによって異なるが、商事債権は5年、民事債権なら10年というのが原則だ。
 同じ借金でも、株式会社である消費者金融や銀行などから借りていれば商事債権なので5年、信用金庫などからの個人的な借り入れなら民事債権なので10年となる。
 また、権利関係を短期間で確定させるため、民法をはじめとする各種の法律で、債権によって短期消滅時効が成立する期間が定められている。
 宝くじの当せん金は1年(当せん金付証票法)、労働者の退職金は5年で給料は2年(労働基準法)。民法は債権者の職業や債権の性質別に細かく規定しており、家賃は5年で病院の医療費は3年、電気代は2年、飲食代やレンタルDVD延滞料は1年となっている。
 消滅時効とはいえ、期間の経過によって自動的に債務が消滅するわけではなく、債務者が債権者に対し、時効で債務が消滅したことを表明することが必要。これを「時効の援用」と呼んでいる。
 債権があるなら消滅させないよう時効成立前に、債務者に一筆書いてもらい債務を承認させたり、訴訟を起こしたりする必要がある。これで時効は中断し、債務承認や裁判確定の時から新たな時効期間が進行する。
 逆に、かなり前の債務がある場合は、時効が成立している可能性もあり、督促状などが届いても慌てて一部を支払ったり、支払いの約束をしたりせず、専門家に相談することをお勧めする。(監修・法テラス)

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