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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

婚約不履行 理由ない破棄に賠償請求権 成立を立証する必要

 あまりに、ひどすぎる。3年間付き合い、婚約していた彼が突然切り出した。「やっぱりやめよう」。理由を聞いても分からない。ショックで体重が5キロ減った…。
 半年後に控えた結婚式の式場を予約し、ウエディングドレスも決めた。お互いの両親にあいさつも済ませていた。専業主婦になるつもりだったので、勤務先を辞める手続きを進めていた。
 もう誰も信用できない。何をする気も起きない中で、自分の母親が慰謝料のことを言い出した。

イラスト:久保山知里(共同通信社)

 婚約は結婚しようという合意で成立する。結納や、婚約指輪の交換といった形式は不要だ。婚約をすると、互いに誠意をもって交際し、将来結婚するよう努める義務を負うが、強制はできない。
 正当な理由なく婚約を破棄されたら、相手に損害賠償を請求できる。ただ賠償が認められるには、婚約の成立を立証しなくてはならない。互いの両親にあいさつを済ませていたといった事情や、2人の合意が第三者にも明らかだったかどうかなどさまざまな状況から判断される。
冒頭の事例は結婚式場を予約しているので婚約が成立していたと認められるだろう。
 判例で、婚約破棄の正当な理由に当たると認められたケースは、相手の性交不能や不貞、虐待、侮辱などがある。相性が悪い、年回りが悪い、性格が合わないといった主張は認められていない。
 賠償の範囲は、結婚式場の申込金やキャンセル料、新居の準備費用や解約金のほか、精神的苦痛の慰謝料も含まれる。交際中に負担したデート費用や相手へのプレゼント代は請求できない。
 結婚準備のために勤務先を退職した場合は、再就職の可能性や条件などを考慮し、退職しなかったら受けられた金額の請求が認められることもある。
 もっとも、婚約破棄した場合の慰謝料は、一般には離婚の慰謝料より低額とされている。
 婚約破棄に至ると、男性から女性への結納金はどうなるのか。結納は婚姻成立を最終目的とする。婚姻しない以上、目的は達成されず、不当利得になるとみなされ、女性側は返還義務を負う。男性側に破談の原因がある場合、男性が結納金を返還請求するのは信義則に反するとした判例もある。(監修・法テラス)

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