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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

氏名変更 難解難読は認められやすく 家裁の許可が必要

 風邪をひいてクリニックに行った。受け付けを済ませ、待合室で座っていると、看護師から名前を呼ばれた。「○○さん」。その場にいた患者や家族ら10人がぎょっとした様子で一斉に僕を見る。僕は有名な事件の死刑囚と同じ名前なのだ。
 続いて訪れた薬局でも同じ反応だった。僕に注がれる視線。いつもこれだ。いいかげん、名前を変えたくなってきた…。

イラスト:山田 紗英子(共同通信社)

 氏名は、氏と名が一体となって個人を特定し、他人と区別できる。変更には一定の制約があり、氏の変更は、やむを得ない理由があるとき、名の変更は正当な理由があるときのみ認められる。
 氏の方が名よりも変更の基準が厳しい。氏が戸籍と密接に関係し、夫婦や氏が同じ子を基準として戸籍を編製しており、同じ戸籍の人すべてに影響することによる。
 氏名変更には家庭裁判所の許可が必要だ。氏の変更はさらに同じ戸籍の15歳以上の人の同意も必要。戸籍の筆頭者や配偶者でない人が氏の変更を望む場合は、現在の戸籍を抜けて自分で戸籍を編製する分籍という手続きをした上で家裁で申し立てをする。
 氏の変更申し立てで最も多いのは、離婚する際に婚姻時の氏を選んだ女性が婚姻前の氏に戻すケースで、認められる例も増えている。
 難解難読の氏は、個人を特定する機能を果たしていないとの理由で変更が認められやすい。「陽(ミナミ)」「毛受(メンジュ)」「東恩納(トオノ)」などの氏は過去に変更が認められた。
 名の変更申し立てで最も多いのは、通名への変更だ。通名を長年使用して社会生活上定着した場合は変更が認められやすい。性同一性障害を理由に異性の名に変える場合は、新しい名を長年使っていなくても診断書や生活実態などを考慮し、認められる傾向にある。
 冒頭のように、同姓同名で著しく支障がある場合はどうか。近隣の同姓同名の人と年齢が近く郵便物が誤配される恐れがある場合や、犯罪者と同姓同名のケースでは、名の変更が認められた。
 氏同様、難解難読の名も扱いは同様だ。「家康」という名は、歴史上の特定人物を想像させるとして変更OKだった。珍しい名前も増えてきたが、親は子の人生を考え、慎重に命名すべきだ。(監修・法テラス)

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