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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

論文コピペ 引用ルール守って 丸写しは著作権法違反

 ようやく就職先も決まり、あとは卒業論文だけだ。どんな資料を使おうか考えていると、大学のゼミで指導教授が告げた。「論文コピペ(文章の切り貼り)が増えて看過できない。卒論はこれから手書きに改める」
 パソコンで仕上げようと思っていた私や仲間に動揺が走った。仕方ないけど、そもそも何をコピーするといけないの?

イラスト:山田 紗英子(共同通信社)

 論文は、多くの文献や資料に当たって分析し、自分の意見を述べる構成を取る。他人の文章を取り込む必要性が出てくるが、著作権を侵害しないよう注意が必要だ。
 著作権法で保護を受ける著作物とは「思想または感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」である。図、表、写真やインターネット上の情報も著作物に該当する。憲法や法令、裁判の判決文は著作物だが、周知を目的としており、保護は受けない。
 著作物の作成者は著作権者として、独占的に利用する著作権を持つ。著作物を利用するには原則として著作権者の承諾を得なければならない。
 ただ、公表された著作物は「引用」という方法を取れば承諾なしでも論文に利用できる。その際@自分の著作物と他人の著作物が明瞭に区分されているA引用の必然性があり、自分の著作物が主で、引用する他人の著作物は従とするB出典を明記する―というルールがある。出典を示さないと50万円以下の罰金となる。
 具体的には@かぎかっこを付けたり、改行して一文字分下げたりして引用部を明らかにするA引用は原文のままで、引用部に誤字があっても(ママ)と示すなど手を加えないB引用は必要最小限とし、引用部分が大半を占めない―などだ。要約もできるが、元の文章の趣旨を損なわないようにしなければならない。
 他人の著作物を丸写しして、自分が作成した論文とするのは著作権法違反だ。著作権者から複製権違反として民事上の責任(損害賠償や差し止め)を追及される恐れがあり、刑事上も10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金などの可能性がある。
 卒論でこれをすると、単位はく奪や停学などもあり得る。正しく引用し、研究の成果を発表しよう。(監修・法テラス)

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