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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

地震とブロック塀 補修進めよう 倒壊の責任負う可能性

 突き上げるような激しい揺れだった。テーブルの下に身を隠すと、食器が床に落ちて割れた。揺れが収まり、テレビをつけたら震度6弱だって。庭を見たら大変だ。隣の家のブロック塀が崩れ、わが家の物置や盆栽が下敷きになった。
 おわびに来た隣の男性は「不可抗力だったので…」と言い残して立ち去った。地震のせいで誰の責任でもないの? 古いブロック塀で気になっていたんだけど…。

イラスト:久保山  知里(共同通信社)

 ブロック塀の設置やその後の修理などが不完全で他人に損害を与えたら、塀の所有者は損害賠償責任を負う。故意や過失がなくても賠償しなければならない。他人に危険を及ぼす可能性が大きい物を所有していれば、重い責任を負うという考え方に立っている。
 ただし、地震が原因で塀が倒壊して損害が発生した場合、一定程度の地震動に耐えられる安全性を塀が備えていれば、所有者は損害賠償責任を負わないとされる。一定程度の揺れとはどれぐらいなのだろう。
 現在の耐震基準は、1981年に改正された建築基準法施行令による。78年の宮城県沖地震でブロック塀倒壊による死者も出たため、新耐震基準が導入された。新耐震基準は 震度5強程度ではほとんど損壊がなく、震度6強から震度7では人命に危害が及ぶ被害を生じないことを目標にする。
 塀が新耐震基準を満たした施工をしていれば、震度5程度では倒壊しないと考えられる。震度6以上で倒壊した場合は、不可抗力だとして損害賠償責任を免れると考えられている。
 設問の事例は震度6弱。新耐震基準を満たした塀であれば、現在の一般的な考えでは免責されるだろう。
 もっとも近年は規模の大きな地震が多発しており、今後は震度6の倒壊も免責されない方向に変わる可能性はある。
 81年以前に築造された塀の所有者は新耐震基準に合わせて補修する必要がある。旧耐震基準を満たすだけでは免責されない可能性が高い。
 阪神大震災では旧耐震基準の建築物に多くの被害があった。各自治体は現在、耐震診断をしたり、改修費を助成したりしている。将来の大地震に備えて、塀や建物の補修を進めておきたい。(監修・法テラス)

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