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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

生活騒音 夜間は注意を 受忍限度超えで慰謝料も

 もう我慢できない。マンションの隣の部屋から毎晩聞こえるテレビの大音量。高齢で就寝時間が早いのに、隣の男が夜中に回す洗濯機の音で目が覚める。管理人が注意しても相手は改めない。直接抗議しても駄目だ。
 引っ越さないと体が持たない…。でも、何でこちらが出ないといけないの? 引っ越し代や慰謝料を請求したいよ。

イラスト:山田 紗英子(共同通信社)

 国土交通省の2013年度マンション総合調査によると、マナーをめぐるトラブルで生活騒音は34%(複数回答)。構造上、天井と床を通して音が上下の部屋へ伝わり、壁が薄いと左右の隣部屋に漏れることもある。
 音の大きさはデシベルという単位で、洗濯機は64〜72デシベル、テレビは57〜72デシベル、普通の話し声は50〜61デシベル、ひそひそ話は40デシベル。環境省の基準値は、住宅地の騒音が昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下。普通の話し声でも夜間は注意が必要だ。
 国交省の調査では、マンショントラブルの対応として、管理組合内で話し合ったのが最多の69%。次いで管理業者への相談が48%、当事者の話し合いが25%(複数回答)。管理会社や管理組合に相談すれば、多くの場合、注意を全戸に促す書面の配布といった対応を取ってもらえるだろう。
 ただ管理会社の業務は、清掃や維持管理などの内容が通常で、住民同士のトラブルへの対応は限度がある。管理組合も、多くの区分所有者が迷惑を受けている場合でないと、なかなか防止策に踏み込むのは難しい。
 従って、困った入居者が相手を直接訴えざるを得ない場合が出てくる。過去の音の被害には慰謝料を、将来の被害には音を出す行為の差し止めを請求する。証拠用に騒音の録音や、測定機による計測が求められる。
 判例は「受忍限度を超えた場合」に請求を認めており、音の発生時間帯や性質・程度、被害状況などから総合的に判断される。上階から子どもが駆け回るなど50〜65デシベルの音が日常的に聞こえたことが問われた裁判では、対応に誠意がないことも考慮し受忍限度を超えているとして、30万円の慰謝料が認められた。
 防音マットを敷くなど少しの工夫でトラブルを避けられる。相手の生活状況を知っていれば音が気にならないこともあり、近所付き合いを勧めたい。(監修・法テラス)

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