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【共同通信】 転ばぬ先の処法箋

マタハラ 不利益な取り扱いは違法 妊娠、出産女性の相談増

 念願の子どもを授かったのに、憂鬱(ゆううつ)な日が続いている。私は30代で事務職。妊娠を報告したら、社長が不機嫌な表情で「代わりの人間なんていないよ」と吐き捨てるように言った。
 育児休業を取ると伝えても、理解がない。「早期復帰できないなら、いてもらうのは難しいな。赤ちゃんには母親が必要だろう」と社長。辞めてくれと言わんばかりの対応に、がっかりだ。

イラスト:久保山 知里(共同通信社)

 働く女性が妊娠や出産を理由に解雇や降格など不利益な取り扱いを受けたり、嫌がらせを受けたりする「マタニティーハラスメント」(マタハラ)の相談が増えている。厚生労働省によると、2013年度の相談件数は前年度に比べて14・8%増加した。
 働く女性の妊娠・出産は、労働基準法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法などで権利が保障されており、不利益な取り扱いは違法だ。
 妊娠中は残業や夜勤、休日出勤を拒否できるし、勤務時間短縮や負担が軽い業務への転換も申し出ることができる。厚労省の「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用するなどして、医師の指導内容や必要な措置を会社に伝えるとよい。
 育休は、子の1歳の誕生日の前日まで取得できる。パートなどの有期雇用でも、1年以上同じ事業者に雇用され、子の1歳の誕生日以降も雇用が見込まれるなどの要件を満たせば取得できる。
 父親も育休を取得できる。厚労省によると、13年度の男性の育児休業取得率は2%と低い。男性は仕事、女性は家庭、という固定観念も根強く、男性の育休を妨げる「パタニティーハラスメント」(パタハラ)も問題になっている。
 これらの問題に直面したら、会社のセクハラ相談窓口や都道府県にある労働局などへの相談が考えられる。不利益な取り扱いを受けた場合は弁護士に相談し、労働審判や裁判を検討することになる。
 国立社会保障・人口問題研究所が10年に実施した調査によると、第1子出産後も就業を継続した女性の割合は約4割で、1980年代から傾向は変わらない。女性の離職は会社や社会にとって大きな損失であり、妊娠・出産・育児に関する制度を広く周知し、職場環境を整えることが求められる。(監修・法テラス)

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