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法テラスは、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。

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質問
上司から嫌がらせを受けて、退職しました。勤務先に責任を問うことができますか?
答え
(回答)
・勤務先が組織的に嫌がらせをしたときには、勤務先に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めることが考えられます。
・勤務先が組織的に嫌がらせを行っていなかったとしても、勤務先には、嫌がらせをした上司や従業員を使用する者としての「使用者責任」がありますので、不法行為に基づく損害賠償を請求することが考えられます。
・勤務先には、労働者の職場環境に配慮する義務があると考えられますので、債務不履行に基づいて損害賠償を求めることも考えられます。

(説明)
・「使用者責任」とは、人を使用して利益を得ている者は、使用(雇用)している者が他人に与えた損害も負担すべきという責任のことです。
・雇用契約の中には、職場環境に対する雇用者側の配慮義務が含まれており、その一環として、雇用者側には従業員の働きやすい環境を整える義務があります。そこで、勤務先がこの義務に違反して従業員に損害を発生させた場合には、従業員は、勤務先に対し、債務不履行に基づく損害賠償請求が可能です。
・従業員が被った損害としては、精神的苦痛を受けたことによる慰謝料、嫌がらせがなければ勤務が継続できたにもかかわらず辞めざるを得なかったことで得られなかった賃金相当額分の損害などが考えられます。
・不法行為または債務不履行に基づく損害賠償が可能であるかどうかは、その嫌がらせの程度や、立証の有無程度にもよります。
・また、職場でのいじめが暴行、傷害、名誉毀損等の刑事罰に触れる場合には、加害者の処罰を求めることも考えられます。
・パワハラに関して、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(パワハラ防止法)」が改正され、令和2年6月1日から施行予定(ただし企業規模による例外あり)です。この改正により、職場におけるパワハラ防止のために、雇用管理上必要な措置(事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化・周知や、相談体制の整備、被害を受けた労働者のケアなど)を講じることが事業主の義務とされます。罰則はありませんが、適切な措置を講じていない場合、当該事業主は厚生労働大臣による是正指導の対象となり、これに従わない場合、事業主の名称が公表される可能性もあります。
・また、パワハラに関する紛争が生じた場合、調停など個別紛争解決援助の申出ができるようになります。
・セクハラの防止に関しても、上記と同様の事業主の義務、義務違反の場合の名称の公表、個別紛争解決援助の制度が設けられています(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)。
・詳しくは、弁護士等の専門家にご相談なさるとよいでしょう。

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