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高齢者が救急搬送!同居していた息子は…さあ、どうするスタ弁!?

更新日:2018年6月28日

役場、病院、裁判所。地域の連携で後見人に

「ケース会議や研修会など、どこへでも伺います!」

イラスト:小池アミイゴ


 声高に叫んで早4年。あるときは片道3時間の町役場へ、またあるときは、野生の鹿に気を付けながら山の向こうの地域包括支援センターへ。
 今、私が勤務しているのは、法テラスで一番広い範囲をカバーする釧路法律事務所。その範囲は、北海道の面積の約4割を占めるほどです。

 「あの…ちょっと相談してもいいでしょうか?」

 お電話をくださったのは、役場の高齢者担当の職員さん。私があちこちを訪問しているというのを聞いて、初めて電話をしたとのことでした。

 「はい、ご遠慮なくどうぞ!」

 それは、救急車で病院に運ばれた82歳のAさんのこと。同居していた息子さんが救急車を呼んだようなのですが、息子さんはその後、行方不明に。

 残されたAさんは、お金もなく、ほかに身寄りもなく、また認知症が進行していて、会話もままならず…。

 私は、Aさんの生活状況を聞きました。すると、どうも息子さんがAさんの年金を使い込んでいる疑いがあったのです。Aさんは、息子さんを信じて全て任せていたのか、それとも…。認知症が進んで会話ができなくなった今、本人に聞くことはできません。

 弁護士として、これからのAさんの生活には、成年後見人が必要と判断しました。

 あちこちを走り回って、役場や病院の職員さんのご尽力もあり、なんとか親族の方と連絡を取ることができました。その方が、裁判所にAさんの成年後見人選任の申立てをすることになり、私はその申立代理人になりました。そして裁判所は、後見人に私を選任し、私は法的にAさんを守ることができるようになったのです。

 今でも思います。Aさんにとって、もっと弁護士が身近であれば、早くに相談ができたのではないか…。

 弁護士は「敷居が高い」存在ではありません。もしかしたら、地理的に遠いところにいるかもしれませんが、いつだって皆さんに身近な存在でありたいと願っています。

 「ご遠慮なくどうぞ!」

 スタ弁は、今日も行きます。


法テラス釧路法律事務所 阿相裕隆弁護士
PROFILE
あそう・ひろたか/埼玉県生まれ。2009年弁護士登録。趣味は野球(自称ヘタ)。最近うれしかったことは、誕生日プレゼントに日本酒と徳利のセットをもらったこと。好きなお酒は釧路の地酒「福司」。


スタ弁(スタッフ弁護士)って?
全国各地にある法テラスの法律事務所等で働く弁護士です。
詳しくはスタッフ弁護士のページをご覧ください。
スタッフ弁護士になりたい!という方はスタッフ弁護士採用サイトをご確認ください。

※掲載している所属やプロフィール情報は、平成27年7月時点のものであり、 現在は異なっている場合があります。

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