法テラス東京法律事務所だより 2020年12月号
更新日:2020年12月2日
四ツ谷のげんばから
とある地域包括支援センターの職員さんからお電話をいただきました。
- Aさん(70歳代)のもとに,先日(6月),弟のBさんの債権者であるというX社から債権回収の手紙が届きました。Bさんが,生前,X社からお金を借りていたところ,1月に亡くなったことから,相続人であるAさんに請求がされたようです。
- Aさんは,Bさんとは絶縁状態で,亡くなったことを知ったのは,葬式が終了した2月頃でした。
- Aさんの話を聞いた職員さんは,「AさんがX社に支払わずにすむようにするには,相続放棄をする必要がある」と思いました。しかし,相続放棄は,亡くなったことを知ってから3か月以内にしなければならないと思い,どのように対応すればいいか悩み,法テラスのホットラインを利用しました。
ご連絡いただいた職員さんのおっしゃるとおり,「相続放棄の申述」の手続きを裁判所で行うことにより,亡くなった方の財産の相続をしないということができます。
この相続放棄の申述は,自己のために相続の開始があったことを知った時(=相続が開始されたことと自分が相続人であることを知った時)から3か月以内に行う必要があります。
そうすると,Aさんが相続の開始を知ったのは,Bさんが亡くなったことを知った2月となり,現在(6月)では,3か月が経過してしまっていることになります。
しかし,相続人と亡くなった人との間に交渉が途絶えているなどの状況のもと,亡くなった人に特に財産や債務がなかったと思っていた場合には,相続人が亡くなった人の債務を知ったときから,3か月以内に手続きをすればよいとされています。
亡くなったBさんと絶縁状態であったAさんは,債務を知ったとき(債権者からの手紙を受け取ったとき)から3か月以内に手続きをすれば相続放棄ができる可能性がありますので,速やかに法律相談をご利用されるようご案内しました。
“こんなとき,どうしたらいいんだろう”と思われましたら,ぜひお気軽にご相談ください。
※ このお話は実例を参考にしたフィクションです。
法テラス東京法律事務所だより 12月号(PDF:255KB)
ホットラインご利用のご案内
当事務所では、常勤弁護士が福祉・医療関係のお仕事をされている方々に(※1)電話情報提供サービスを行っています。ご本人を支援する業務のなかでお悩みのこと(※2)がございましたら、ぜひご利用ください(ご担当ケースにおけるご本人のお名前等をお話しいただく必要はございませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。)。
ご利用時間帯 平日10時から17時
お問合せ先電話番号 電話:050-3383-0202
よくあるお問合せ 成年後見制度、相続・遺言、債務整理、生活困窮、離婚、賃貸借トラブル、消費者被害、法テラス利用方法など(※3)
※1 支援を受けておられるご本人からの直接のお電話には対応できません。ご本人からの直接のご相談につきましては、法テラス地方事務所にてご予約を承ります。お近くの法テラス地方事務所をお探しの場合はhttps://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/index.htmlをご参照ください。
※2 最終的にはご本人(被支援者様)のために、そのお悩みについて解決の道筋をつけることが目的です。支援者様や支援者様が所属する機関・団体の法務につきましては対応できませんので、予めご了承ください。
※3 ここに掲げたもの以外のお悩みでも、ご遠慮なくお問い合わせください。
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