法テラス東京法律事務所だより 2021年11月号
更新日:2021年10月29日
四ツ谷のげんばから
「日本で子どもを産みたい」
とある福祉事務所の職員(出産支援)の方から,お電話をいただきました。
- Aさん(20代)は,5年ほど前より日本に住んでいる外国人女性です。
- Aさんは,難民認定を申請していたのですが,数ヶ月前に申請が却下され,来月中に本国に帰国することが求められています。
- 一方,Aさんには,日本で知り合った外国人の婚約者がおり,再来月後半に子どもを出産予定です。
- Aさんとしては,来月本国へ帰国することは,長時間移動に伴う母体への影響等から何としても避けたく,日本で出産したいとの強い思いです。
- 職員の方は,どう対応していいかわからず,法テラスのホットラインを利用しました。
外国人が日本で暮らすためには,出入国管理及び難民認定法(「入管法」)に基づいて,日本に滞在するための資格(「在留資格」)を有していることが必要です。在留資格には,基本的に在留期間が指定されるため,この期限を許可なく越えて滞在することはできません。
本件でAさんは,難民認定申請中はそれに関する在留資格を有していたのですが,申請却下の結果,来月までに帰国しなければならなくなったのです。
しかしながら,申請却下の時点でAさんは既に妊娠約8ヶ月という身重の状況で,長時間のフライトに耐えられるかという問題に加え,「本国の感染状況が日本より大幅に悪い」という悪条件が重なっていました。そこで法律相談のうえ,Aさんは、出入国在留管理庁に対して,「出産後,暫くは滞在を認めてほしい。」との在留資格を得る手続を行い(弁護士が申請を代理),無事,3ヶ月の短期滞在資格を得ました。外国人のお困りごとは,このように急いで対応しなければならない事件が多く,対応に迷われたときは,直ちにご相談ください。
※ このお話は実例を参考にしたフィクションです。
法テラス東京法律事務所だより 11月号(PDF:262KB)
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