勤務先に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めることが考えられます。
更新日:2022年4月1日
上司から嫌がらせを受けて、退職しました。勤務先に責任を問うことができますか?
- 勤務先が組織的に嫌がらせをしたときには、勤務先に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めることが考えられます。
- 勤務先が組織的に嫌がらせを行っていなかったとしても、勤務先には、嫌がらせをした上司や従業員の使用者としての「使用者責任」がありますので、不法行為に基づく損害賠償を請求することができます。
- 勤務先には、職場の環境に配慮する義務があると考えられますので、債務不履行に基づいて損害賠償を求めることもできます。
- 「使用者責任」とは、人を使用して利益を得ている者は、使用されている者が他人に与えた損害も負担すべきという責任のことです。
- 雇用契約の中には、職場環境に対する雇用者側の配慮義務が含まれており、その一環として、雇用者側には従業員の働きやすい環境を整える義務があります。そこで、勤務先がこの義務に違反して従業員に損害を発生させた場合には、従業員は、勤務先に対し、債務不履行に基づく損害賠償請求が可能です。
- 従業員が被った損害としては、精神的苦痛を受けたことによる損害、嫌がらせがなければ勤務が継続できたにもかかわらずやめざるを得なかったことで得られなかった賃金相当額分の損害などが考えられます。
- 不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償が可能であるかどうかは、その嫌がらせの程度にもよります。
- 詳しくは、弁護士や司法書士等の専門家に相談するとよいでしょう。