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vol.56 川平慈英さん

更新日:2023年3月9日

プロフィール

かびら・じえい
沖縄県出身。1986年ミュージカル『MONKEY』で俳優デビュー。以降舞台を中心にドラマやCM、映画と多数出演。サッカーナビゲーターとしても知られている。ミュージカル『雨に歌えば』で第4回読売演劇大賞男優賞を受賞。『ビッグ・フィッシュ』のエドワード・ブルーム役で第45回菊田一夫演劇賞を受賞。近年の主な出演作に、舞台:『スラムドッグ$ミリオネア』『Forever Plaid』NODA・MAP『THE BEE』『フェイクスピア』『藪原検校』『三谷幸喜のショーガール』など。ドラマ:「破天荒フェニックス」(ANB)、「サイレント・ヴォイス」(BSテレ東)、映画:「記憶にございません!」など。

「個人情報」という言葉が身近になった分、普段から気にかけるべき存在になりましたね。

俳優として数々のミュージカルや舞台作品に出演する他、サッカーナビゲーターとしても活躍中の川平慈英さん。今回は、クレジットカードや電子マネーの利用者が増え、SNSが急速に普及した近年、川平さんが日常の中で個人情報について感じていることや気をつけていることを伺いました。

「個人情報」と聞くと、どのようなイメージがありますか。

川平さん
昔は企業や組織が使うイメージで個人が使うような用語じゃなかったのに、ここ何年かで身近な言葉になりましたよね。ニュースで個人情報の漏洩とかも聞くので、事件や事故につながるものでもあるし、守らなきゃいけないものでもある。普段からある程度は気にかけて取扱わなきゃいけない存在になったなというのは感じますね。

「個人情報」に関する被害に遭ったりヒヤッとしたりした経験はありますか。

川平さん

以前、サッカーの取材で毎年スペインに行っていた時期があったんですけど、帰ってきて半年くらい経ってからかな。クレジットカード会社から「先週の何月何日、スペインには行かれてないですよね?」って電話がきたんです。「行ったのはもう半年以上前ですよ」ってお答えしたら「実はスペインのマドリードで50万円の引き落としがありまして」って言われて。でも、同じ日に東京で別の買い物の引き落としがあったので、物理的にありえないということで50万円の引き落としはストップしてくれてたんです!さすがだよね。僕、ものすごい感動して!個人情報を預けるということは、漏洩すると大変だけどトラブルの時には助けてもくれる。敵にも味方にもなるんだなと感じました。

日本と海外で「個人情報」への意識の違いは感じますか。

川平さん

海外ではガムひとつ買うのもカードなんてこともありますからね。日本はキャッシュレス化が遅れてるんです。でもそれだけ慎重な民族ってことだから、いいことだと僕は捉えてるんだけど。僕のまわりでも同世代で現金派が何人かいます。やっぱりそれは個人情報漏洩を危惧して。国も会社も、個人情報に対するプロテクトはどんどん向上してると思うんですけど、そこはイタチごっこでしょうね。だから慎重になるのはいいことだと思います。
でも時代が変わっていくと現金はどんどんなくなっていくでしょう?いつか電子マネーも世界共通になる時代が来て、個人情報も今よりもっと世界レベルで扱われる時が来ると思いますよ。

個人情報を守るために気をつけていることはありますか。

川平さん

スマホにアプリを入れる時、「○○を許可しますか?」って表示が出るじゃないですか。あれを許可することに抵抗があるんですよ。ただ中には許可しないと次のステップに行けないものもあるので、仕方なく許可しますけど。メジャーネームの企業のものしかやらないですね。
あと、スマホの自動ロックは最短の秒数にしてます。スマホには電子マネーとか交通系ICカードとかいろんなものが入ってますからね。僕は手ぶらが好きで財布を持ち歩かないので、スマホで支払いができるのは便利なんです。だからスマホをなくすのは一番怖いんですが、実は何度か置き忘れてしまって。それで先日ついにショルダーストラップを買いました。あれいいですね。肌に密着させておけるので、置き忘れ解決法になりました。

SNSの投稿をされる際に気をつけていることはありますか。

川平さん

僕が読んだ本で、SNSにアップした写真から住んでる場所がわかっちゃうっていうのがあって。背景にランドマークが写っていて場所を特定されるとか、撮影したグラスにドアノブが写っていて鍵の形を推測されるとか、顔写真の瞳に写ったものから情報が漏洩するとか、本当に怖いですよね。やっぱり過信しちゃいけないなと。
僕はSNSには仕事や舞台のことは上げてます。楽しみにしてくださる方々と喜びや高揚感、幸福感を共有してこそだと思うので。
逆にプライベートなことはあまり上げないです。僕は誰かと一緒に撮った写真とかも自分日記として見返すだけで嬉しくなるので充分なんです。SNSを始めた頃はいろいろ上げてましたが、シェアをすることに高揚感を感じるような年齢ではなくなりましたし、そうありたいと思っています。

法テラスという機関があることについてどう思いますか?

川平さん

何かあった時にここに連絡しようという場所があるのはいいことですよね。法テラスのような機関が多くの人の目に触れることで「法律は味方なんだ」って肌で感じられる社会になってほしいなと。僕も一応、相談できる弁護士さんがいますが、やっぱり安心感があります。なにかあった時に手を差し伸べて親身になってくれる人がいるのは精神的にも助けられますよね。
僕は「助けて」って言うことは恥ずかしいことではないと思うので、なにかあった時はひとりで悩まずにすぐに「助けて」って黄色信号を出してほしい。家族でも友人でもまずはチームを組んで、場合によってはプロフェッショナルと一緒に戦うのがいいと思います。
あと、僕は「寛容」って言葉がすごく好きなんです。他人に対して寛容な気持ちで接することができるともっといい社会になるんじゃないかなって。「助けて」信号を出してる人に対して、社会が寛容でないとどんどん「助けて」が言いづらくなってしまうと思うんです。
基本的に他人を信用するなっていう時代になってきて、自分を守ることも大切だと思いますが、そのせめぎ合いの中でもうまくバランスをとって生きていけたらいいですよね。だから自分も寛容でいようって言い聞かせてます。

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