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司法過疎地開業ノスゝメ(スタッフ弁護士OB・中野宏典弁護士)

更新日:2020年8月27日

つる法律事務所(スタッフ弁護士として3年勤務→山梨県都留市で開業)

できるだけ多くの人に、「司法過疎地で仕事をする」という選択肢を持ってほしいとは思いつつ、ぼくとしてはぼくが考える司法過疎地で働く面白さを書く以外に仕方がないので、あまり参考にはならないかもしれず、あるいはご批判もあるかもしれないけれども、腹を括って書くことにする。
 

ぼくが考える司法過疎地で働く醍醐味。それはとにもかくにも「自由である」ということだ。そもそも弁護士を目指したのは、おそらく自分のように空気を読まずに思ったことを見境なく口にするような人間には、誰かに雇われて働くことは無理だろうな、という思いがあったからで、自由であることこそ弁護士業の最大の魅力だと思う。その魅力を、さらに最大限に活かせる場所、それが司法過疎地なのだ。前に、「なつぞら」という朝ドラをやっていたけれど、あの北海道の開拓民のように、弁護士がその自由を発揮して良心の赴くままに開拓できる場所は、都会よりも、司法過疎地だと信じている。
 

スタッフ弁護士としては、北海道の江差という町で3年間働かせていただいた。正直無我夢中で、気持ちだけで乗り切ったという感じだったけど、養成中の贅沢な研修やサポート体制のおかげもあり、なんとかやり切った。でも、この3年間で、司法過疎地の実相をリアルに認識したり、何が欠けているのか、どうすればよいのかを考え悩むことができ、今の業務にも繋がっていると思う。
 

今の仕事は、一般民事や家事など、市民の方々の生活に直結した仕事はもちろん多いのだけど、仕事をする中で、例えば高齢者の問題は個々の案件の重要性もさることながら、行政の活動が重要だな、と感じれば、地域包括支援センターが行っている会議に加えていただいて、地域の施策を話し合ったり。地域の人々に法的な視点が乏しいことが問題だなと思えば、学校に出前授業に行って、法教育をしたり。大学で講義をしたり、地元の経営者の集まりなどから講演に呼ばれたり、弁護団に入って全国の原発差止訴訟に飛び回ったり、音楽仲間と憲法を絡めたライブを企画したり、小学校に絵本の読み聞かせに行ったり。最後の方は、司法過疎地関係ないじゃん、というかもはや弁護士関係ないじゃん、と思うかもしれないけれど、それが自由ってことじゃないだろうか。田舎だと取り扱う業種が限られる、と思っている人がいるかもしれないけれども、それは、弁護士はこうあるべき、という固定観念に囚われているからそうなるのであって、それを取り外してしまえば、こんなに自由な仕事もちょっと考えつかない。
 

司法過疎地で仕事をするにあたって一番気を配らなきゃいけないのは、やはり司法アクセスの悪さであり、都会では当たり前のことが、ここでは当たり前ではない。ぼくの事務所がある山梨県の都留市は「距離」という点では、他の地域に比べたらましな方だけど(甲府や立川に行くのに1時間~1時間半ほど)、それでも、よほどの状態にならない限り、地域の方々にとって弁護士は選択肢にない。法的課題を抱えているのに、弁護士につながらない方々に、いかに法律事務所の敷居をまたいでもらうかを、絶えず考えている。
 

先日、東京の大手事務所で働いていた弁護士が、何十年後かの未来を想像できてしまった、という理由で、弁護士を辞めてシリコンバレーに行った、という記事を拝見したけれども、率直に言って、気の毒だなあ、と思った。せっかくこんなにも自由な弁護士になったのに、何十年後かの未来が想像できてしまうなんて、辛くないカレーみたいなものじゃないだろうか。いや、もちろん、辛いカレーが苦手な方はそれでもいいんだろうけども、せっかくカレーを味わうならば、香辛料がガツンと効いたカレーを、汗を流しながら食べたい、というのが通好みというもので、ぼくは未来なんてちっとも想像できないし、だからこそゾクゾクした気持ちになる。
 

最後に。もしかすると、司法過疎地で働きたいと思ってはいるけれども、経済面が心配だなあ、と躊躇しているかもしれないあなたへ。もちろん、都会で働いている一部の人がそうであるように、何千万円も何億円も稼ぐことはできないけれども、まあいいじゃないですか。食べてはいけますよ。東京で食べられないという弁護士の話を聞くと気の毒なほどですよ。それよりも、ぼくは自由を取るね。お金では到底買えないような、充実した毎日を過ごさせてもらっているから。
 

【中野弁護士の略歴】
 平成20年 弁護士登録
 平成21年1月から 法テラス江差法律事務所に赴任
 平成25年 都留市にて開業
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