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スタッフ弁護士の業務を支える

更新日:2019年2月28日

スタッフ弁護士の業務を支える(常勤弁護士業務支援室長 浦崎 寛泰 弁護士)

法テラスには、「常勤弁護士業務支援室」があります。
全国各地の法律事務所で業務を行っているスタッフ弁護士から寄せられる相談に応じるだけでなく、こうした相談から捉えられるニーズに合わせた研修を行っています。
今回は、常勤弁護士業務支援室の室長であり、スタッフ弁護士のOBでもある浦崎寛泰弁護士に寄稿いただきました。

電話を受ける浦崎弁護士


常勤弁護士業務支援室・室長の浦崎寛泰です。

 

私自分も、スタッフ弁護士OBです。

法テラスが誕生した平成18年10月にスタッフ弁護士(1期生)として採用され、法テラス壱岐法律事務所、法テラス千葉法律事務所などで、合計6年半スタッフ弁護士として勤務しました。

法テラスを辞めた後は、自分の法律事務所を経営しつつ、平成25年4月から、業務支援室の専門員として、現役のスタッフ弁護士の日常業務の相談や研修を担当しています。

 

業務支援室には、私も含めて現在6名の専門員(スタッフ弁護士OBなど中堅・ベテランの弁護士)が、ほぼ毎日、日替わりで四谷にある事務所に待機して、全国の現役のスタッフ弁護士たちの日常業務の相談に乗っています。

 

私のスタ弁現役時代を振り返っても、日々判断に悩むことばかりでした。

依頼者とのコミュニケーションがうまくいかないとか、訴状の法律構成はこれでいいのだろうかとか、突然全く知らない分野の法律相談が飛び込みでやってくるとか。

もちろん、その都度、自分なりに一生懸命文献や裁判例を調べたりするのですが、「相手方から○○円で和解の打診が来たが、相場的に受け入れていいのか」など、文献には書いていないし、ある程度経験が必要な事柄などは、1人で決断するのは実に不安なものでした。

 

研修講師を務める浦崎弁護士


業務支援室では、そのような事件相談を、内線やメールで受け付けています。

寄せられる相談は、皆さん自分なりに一生懸命調べて、それでもよく分からないと持ち込んで来るものですから、どれも悩ましいものばかりです。

私自身は弁護士キャリア14年目になりますが(58期)、それでも、現場のスタッフ弁護士からは未知の法律問題、考えたこともなかった論点が毎日のように寄せられます。

依頼者とのコミュニケーションや、複数の選択肢のなかからどの方針を決めるのかなど、正解のない問題ばかりです。

日々、弁護士業務の奥の深さを痛感しています。

 

私個人としては、平成30年の1年間で、のべ約430件のご相談に対応しました(業務支援室全体としては1年間で約1200件)。

私自身も自分の事務所を経営しながらいわゆる「マチ弁」として、主に個人の案件を扱っていますが、1人での経験など高が知れています。

業務支援室で現役スタ弁の皆さんのご相談に応じていると、実に多種多様で、困難な、ときに最先端の法律問題も含めて、間接的にですが、私自身も多くの案件に触れることができます。

その都度、一緒に文献を調べたり、逆に裁判例の存在を教えてもらったりして、毎日新たな発見と驚きがあります。

どうしても判断に迷うケースは、支援室内のほかの専門員の先生にもご相談したりして、より良い選択肢を模索しています。

他の専門員の先生は、それぞれご専門・得意分野があり、他の専門員の先生方とのディスカッションも本当に勉強になります。

 

また、業務支援室に長く関わっていると、新人のスタ弁だった先生が、地方に赴任して、経験を積み、やがて異動して今度は後輩を指導する側で力を発揮したり、新聞報道もされるような大きな事件で成果をあげられたり、また、地元関係機関から信頼されている様子をいろいろなところで耳にしたりするようになります。

後輩のスタ弁たちが成長し活躍するのを間近でみられるというのは、とてもうれしいことですね。

 
業務支援室の専門員は、私も含めてメンバーが入れ替わっていくでしょうが、現役のスタ弁の皆さんをきちんとバックアップするこの業務支援室の文化と伝統は、これからも次世代につないでいきたいと思っています。

以下フッタです
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