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北の地で、弁護士を身近に

更新日:2019年2月21日

法テラス本部 葛西 秀和 弁護士(新63期)

微笑む葛西弁護士

Q. 6年も函館にいたんですね。

はい。平成30年2月に本部に異動するまで6年間、法テラス函館法律事務所で勤務しました。実は司法修習地も函館だったので、合わせるとほとんど7年間函館にいたことになります。スタ弁(スタッフ弁護士)は2、3年で他の地域に異動するのが原則ですけど、私の場合、もう少し函館で活動を続ける必要があると、例外的に長くいさせてもらえました。

Q. 函館で活動を続ける必要というのは?

弁護士として、一般民事のほか、離婚などの家事や債務整理、医療過誤、行政、刑事など、様々な案件を取り扱いましたが、函館は高齢化率が高かったこともあって、弁護士業務や勉強会を通じて、様々な福祉機関の方々と関わりを持つようになりました。

そうすると、福祉機関の方々と「顔の見える関係」ができて、例えば「家賃滞納で立退きの強制執行が来た」とか問題が起こってからだけでなく、「このままでは払えなくなるから大家さんと交渉したい」といったように問題になる前の相談をされるようになりました。法律相談のタイミングが一段階早くなった、というイメージですね。

 ただ、まだ繋がり始めたところで、このまま私が転勤で人が入れ替わってしまうと、また一から関係を作り直さなければならない。折角始まった地域の方々への総合的な支援を継続するには、もう少し残って連携を更に深めながら引き継ぐ方が良いと。

Q. 思い描いていたような成果は上がりましたか?

そうですね。私が函館に長くいたことで、個人的な線での繋がりから、制度的に面として法的サービスを届ける仕組み作りに少しは貢献できたと思っています。

というのも、函館の勤務を延長した後に、社会福祉士資格を取ったんですけど、この資格を取るためには1か月くらいの実習が必要で、私は地域包括支援センターで実習を受けました。つまり、いつもは連携関係にある福祉機関の中に入って1か月も過ごしたわけです。飲みニケーションもたくさんありまして(笑)。そうすると、ますます福祉機関の方々との距離が近くなりました。幸い信頼していただけたのか、どんどん相談が持ち込まれるようになりました。

このままだと手が回らないかも、というときに、弁護士会の方でも地域包括支援センターごとに担当弁護士を決める案が持ち上がりました。私のそれまでの関わり方は、その担当弁護士活動の参考になったと思いますし、福祉機関の側にとっても、担当弁護士の役割をイメージするのに役立ったと思っています。
弁護士会の取組と一体となったことで福祉機関の方々が弁護士に気軽に相談できる仕組みが厚みを増しましたね。対応してくれる弁護士が函館にたくさん増えることになりました。まだ試行段階ですが、より良い仕組みに発展していくと思います。

青空の下の親子


Q.ちょっと仕事から離れて、函館での生活はどうでしたか?

楽しかったなぁ。海から函館山を眺め、スキーに行って駒ヶ岳を眺めました。

函館にいる間に子供が生まれましたが、待機児童問題もありませんでした。たしか保育園は見学した翌週から入園できました。通勤に5分もかからないので、子供の送迎も担当していたし、多分、イクメンだったんじゃないかな(笑)。

Q.それはご家族にウラを取らないと(笑)。最後に、将来のキャリアで考えていることは?

大好きになった函館に戻って働く将来を想像しています。

でもその前に、他の場所でもスタ弁として勤務して、弁護士としてのレパートリーを増やしたいと思っています。毎年開催されるスタッフ弁護士全国経験交流会で報告される各地のスタ弁の活動はとても魅力的で、自分でも取り入れたいと感じます。
そうやって幅が広がれば、スタ弁を辞めてそのまま函館に残った場合よりも、もっと深みのある仕事ができるようになるんじゃないかと、自分に期待しています。

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