地域の方々に寄り添いながら

　沼津に異動して3か月余りが経ちました。今まで旅行でしか訪れたことがありませんでしたが、春には一足早く河津桜が咲き、事務所からは富士山が見え、景色は美しく人は温かく食べ物は美味しく非常に働きやすい場所です。事務所の近くには大きな狩野川があり、毎日自転車で橋を越えて移動しています。

　スタッフ弁護士の大きな特徴として、異動があります。私は、横浜での1年間の養成期間を経て、多摩→東京→沼津と異動してきました。地域の実情によりスタッフ弁護士に求められる役割もまた異なり、異動がある度に新鮮な気持ちで取り組んでいます。
　
　今までの地域では、少年事件、未成年後見、法教育等、特に未成年の子達に多く関わる機会がありました。特に未成年後見では、本人と密に接することが多く、初めて持つ携帯電話の契約を一緒にするという微笑ましいものから、本人が交通事故に遭ってしまい刑事・民事の対応を後見人として行うという胸が痛くなるものまで様々な出来事がありました。関わった子達も二桁となり、何度も成人としての門出を祝い、見送ってきました。

　逆に、法テラス沼津のある静岡県東部は高齢化の進んでいる地域です。現在の依頼者の多くは65歳以上の方々です。グッと対象年齢が上がりました。依頼者の多くは自力で事務所に相談に来ることができず、地域包括支援センター等の福祉機関からのケース会議参加の依頼も多く、電車、バス、自転車を駆使しながら、静岡県東部を飛び回っています。地域の高齢者の方々が安心して人生の後半を過ごせるよう尽力することが新しい目的になりそうです。少しでも目的に近づけるよう、法的知識と知恵を振り絞っていきたいと思っています。