法テラスの中で働くということ
更新日:2020年2月10日
法テラス東京法律事務所 太田 晃弘 弁護士(57期)
スタッフ弁護士に復帰する道
スタッフ弁護士というと、弁護士登録1年目に「就職」するもの、と思われているかも知れません。
でも、そればかりではないんです。
僭越ながら、私自身の経歴をお話しします。
私は、日弁連のひまわり基金を使って過疎地に赴任するつもりで弁護士になりました。ですが、弁護士登録2年目のとき、ちょうど法テラスが設立されることになったので、スタッフ弁護士1期生になることを選び、岐阜県可児市に赴任しました。
その後も、いったん都市型公設事務所に戻って数年ほど活動→いわゆる司法ソーシャルワークの実践を広げていくためにふたたびスタッフ弁護士に、という経過をたどり、現在に至っています。
今後も司法ソーシャルワークを推進していくにあたっては、当然のことながら、法テラスの内外それぞれでの実践が必要不可欠だと思います。
法テラスの外では、例えば、当事者支援のためのNPO法人を立ち上げたり、様々な基金をつくったり、という実践があちこちで積み重ねられています。
他方で、法テラスの中であれば、公法人としての特色をいかして、様々な分野の関係機関と強固な関係構築をつくりだしやすいという側面があるかと思います。
法テラスと市区町村との間で協定を結び、地域包括支援センター内で相談員の方々と肩を並べて仕事をしたり、保健センターの方々と閉鎖病棟へ出張法律相談に行ったり・・・強い関係を築くことで、これまでアクセス不可能だった方々のもとへとたどりつき、法的解決につなげられるようになったと思います。
本当に困っている方に対してちゃんとした法的支援がなされる世の中にする、という大きな目的の下、法テラスの内外を行ったり来たりする仲間が増えるといいなあ、と個人的には思います。