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徳之島に赴任して

更新日:2019年9月3日

法テラス愛知法律事務所 平賀 宏典 弁護士(67期)

 私は、平成28年1月から3年間、鹿児島県の離島・徳之島に赴任しました。
 徳之島は、アマミノクロウサギなど希少な野生動植物や亜熱帯の森、美しいサンゴ礁などの自然に満ちあふれた島です。
 島内に常駐している弁護士はスタッフ弁護士1人です。そのため、法律相談だけでなく、様々な場所での講演や法教育の授業、福祉関係機関からの相談など島内での弁護士の需要はほぼ全てスタッフ弁護士に依頼が来ます。各関係機関の担当者の方と顔の見える関係も築きやすいため、赴任してすぐに司法ソーシャルワークの一端を担うことができます。
 また、島内で逮捕された方から弁護士会に対し当番弁護の要請があった場合には、地理的・時間的な制約上、島外の弁護士では対応困難で、被疑者の権利擁護のためには、島に常駐するスタッフ弁護士が必要不可欠だと感じます。
 一方で、徳之島には地方裁判所がないため、飛行機に乗って隣の島の奄美大島にある裁判所まで訴状の陳述に行くことや、法テラス徳之島の管轄となっている沖永良部島や与論島までフェリーで片道数時間かけて出張相談に行くこともあります。これらの仕事も採算などを考えると徳之島のスタッフ弁護士でなければ対応困難な仕事なのだと思います。
 離島に赴任しても、全国のスタッフ弁護士と内線で繋がっていますし、研修もあるので、全くの孤独になるということはありません。
 また、司法過疎地型の事務所では依頼者の資力による受任事件の制限がありませんし、他のスタッフ弁護士も同様ですが、自分がやる必要があると思う仕事を自分の裁量でやることができます。(事務所経営を考慮して事件受任を控えるということがないということです。)特別縁故者に対する相続財産分与、差押禁止債権の範囲変更、休眠会社名義の根抵当権設定登記抹消、精神科病院の退院請求など聞き慣れない事件もたびたび経験できます。
 私生活では島内でバイクのツーリンググループやバスケチームに入るなどし、一生の財産となる出会いもたくさんありました。
 弁護士としてだけでなく、人間としての経験値も積みたいという気持ちのある方は、是非法テラスのスタッフ弁護士に応募して司法過疎地に赴任してみて頂けるとよいと思います。

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