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夢中になれる、大好きな職場です。

更新日:2022年2月14日

法テラス八雲法律事務所 椎谷 玲香 弁護士(71期)

「助けたい」その想いに 純粋でいられる


北海道は二海郡八雲町の事務所で受話器を取ると、おばあちゃんが泣いていました。
「夫が死んだ。私も死にたい」。
私は1時間ほど車を走らせ、おばあちゃんのお宅へ。
話を聞くと、借金がありとても返せない。年金の支給額が一人分になると、食べていくこともできない。
困り果てた末、法テラスにお電話をくださったとのことでした。
破産を申し立てましょう。生活保護を申請しましょう。
おばあちゃんをなだめ、説得し、申請のため役所まで付き添いました。

これに似た学生時代の記憶に、私の弁護士としての原点が刻まれています。
ある日、友人の父親が亡くなり、遺された家族が父親の借金で苦しんでいることを知りました。
相続放棄すればいいのではと聞くと、親の借金は放棄できない、と。そんな誤った知識で人生に重荷を背負ってしまうことはあってはならないことです。
私が弁護士を志したのは、こうした困難を抱えながら生きる市井の人々に、司法という灯を持って純粋に寄り添いたいとの思いからでした。
 
「法テラスのスタッフ弁護士は損得勘定なしに、助けたいと思う人々に純粋に手を差し伸べられる」
司法修習生のときに聞いたこの言葉は、今振り返っても、私のやりたいことに合致していたと感じています。

冒頭のおばあちゃんの話に戻ります。
生活保護の申請が通り、破産手続も無事に済み、生活再建の目途が立った頃のこと。
「あの時電話してよかった。椎谷さんに会えて本当によかった」
泣きながらそう言ってくださって。
電話で駆け付けた日も涙。そしてお別れの日も涙。この2つの涙を忘れることはないでしょう。

スタッフ弁護士になって、まだそれほど多くの年月を経たわけではありません。
しかし、おばあちゃんとの出会いをはじめ、一生忘れないであろうさまざまな経験を積むことができています。
そして今、ふとした時に、夢中になって仕事をしている自分に気付きます。
私にとって法テラスは、私を成長させてくれる、大好きな職場です。

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