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塀の中を法の光で照らす

更新日:2019年2月28日

法テラス秋田法律事務所 大野 鉄平 弁護士(新61期)

人権に根ざした法律扶助の実現を目指して

外出先から事務所に戻ると、受刑者から手紙が届いている。
日常の見慣れた風景だ。
わたしの事務所では受刑者からの依頼を多く取り扱っている。
不当な懲罰や保護室収容、手紙の一部抹消など、抱えている問題はさまざまだ。
 

受刑者の処遇は刑事施設長の広範な裁量に委ねられており、裁判所が懲罰等を違法と認定することは希である。
それでも受刑者からの依頼を受け、訴訟を提起し続けるのは、ひとりの受刑者が抱える問題の背後には、声をあげることさえできない無数の受刑者が存在すると信じるからである。
たった1件の訴訟が、日本の刑事施設を大きく変えることもある。これが受刑者支援に取り組み続ける原動力である。

 
民事であれ刑事であれ、法律扶助は人権保障の要である。
かつて「絶望的」と評価された日本の刑事司法を前進させたのは、刑事弁護人の血の滲むような努力とそれを裏で支え続けた刑事法律扶助制度の発展であった。
法の支配が及ばない日本の刑事施設を法の光で照らすためには、スタッフ弁護士の活躍が欠かせない。
受刑者の人権保障を実現するのも、法律扶助の力なのである。

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