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育児をしながら本気で弁護士を続けたいなら…

更新日:2019年9月4日

法テラス千葉法律事務所 横堀 真美 弁護士(新60期)

今回は、育児をしながら勤務しているスタッフ弁護士にインタビューをしました!

横堀弁護士

Q.ご家族構成を教えていただけませんか?

夫、長男(5歳)と次男(2歳)、私の4人家族です。勤務地は千葉ですが東京都内に住んでいます。
 

Q.結婚したのはいつですか?

修習生のときに結婚しました。その直後にスタッフ弁護士に採用されたんです。婚約中に、既にスタッフ弁護士になろうと決めていました。

 

Q.スタッフ弁護士は全国転勤するのに大丈夫だったのですか?ご家族の了解は得られたのですか?

私は、もともと検察官志望で、転勤することに抵抗はなかったんです。夫も会社員ですが、全国転勤がありますし、転居することに抵抗はありませんでした。

私は、身軽なうちに(子が産まれる前に)いろんな場所でやれることをやりたいって思っていました。夫のことを考えすぎてやりたい仕事をやらないでいると、私の人生はそのまま平行線。そうでなくて、右肩上がりにしたかった。

仕事に燃えていたんです(笑)しかし、初めは3年で辞めるつもりでした。
 

Q.でも、スタッフ弁護士12年目ですよね…。これまでどこに赴任されましたか?

1年目の養成は東京。それから、法テラス栃木、法テラス東京、法テラス本部、そして、現在の法テラス千葉です。
最初の赴任地は、北でも南でもどこでも行くつもりでしたが、「栃木」って聞いて「近っ!」と驚きました(笑)栃木に赴任した当初は、夫とは別居で、週末だけ会っていました。その後、夫が栃木に異動してきました。
 

Q.お子さんが産まれたのはどんなタイミングだったのですか?

法テラス東京に赴任後、しばらくして妊娠がわかったんです。でも、実は、社会福祉士の資格を取ろうと決めた直後だったんです。
産前産後休暇と育休を合わせて12カ月ただきましたが、せっかくだからと育休中に、社会福祉士資格を取るための実習に行きました。当時は、長男が生後4~5ヶ月の頃で、姑が1ヶ月、家に泊まり込んで子の世話をしてくれました。
実習では特別養護老人ホーム、通所介護事業所に行きましたが、勉強になりました。でも、大変だったんです。昼間に子が飲む母乳を予め搾乳して冷凍したり…。
 

Q. お子さんが小さいのに思い切られましたね…。で、お二人目は?

本部勤務の時に妊娠がわかり、産前産後休暇と育休を約2ヶ月とって、法テラス千葉で復帰しました。法テラスでは、育休は原則、子どもが1歳になるまで取得できるけれど、早めに復帰しました。
それでも、4ヶ月間、まるまる休めるって贅沢だと思います。一般の女性弁護士の中には、出産予定日1週間前に仕事のアポイントメントを入れたり、出産予定日を過ぎても事務所に来ていたり、出産後入院先で電話やメール対応をしたりした人もいると聞いたことがあります。
でも本人が望んでそうしているならともかく、そうしなければ仕事を続けられないと言うのであればそれは酷い。普通は気力や体力が続かない。
 

Q.確かに、そうですよね…。では、今の1日のスケジュールはどうなっていますか?

朝8時に夫が子どもたちを保育園に送ります。私は千葉まで通勤し、10時頃に事務所に着いて仕事を開始します。私は、時間短縮勤務にしてもらっているので早めに事務所を出発できるのですが、18時15分が保育園に子を迎えに行くリミットなので、16時45分には事務所を出ないといけない。保育園の迎えの時間に遅れると延長料金を取られちゃう。
 

振り向く横堀弁護士

Q.そのスケジュールですと、夜に接見に行ったり起案をしたりできませんよね…。我々、弁護士は、どうしても夜に接見や起案をしないといけないこともあるかと思いますが、大丈夫なのでしょうか?

接見は、もちろん昼間に行きます。起案も昼間に…いつの間にかやってます(笑)

裁判所や警察署までの移動は、いかに時間短縮できるか、ミステリー小説並みに綿密に組み立てます。記録を家に持ち帰るのは、紛失の危険や個人情報を子が読む恐れがあるので、家で起案はしていません 。
事務所にいる時は、起案か電話をしています。
 

Q.そんな状況ですと、お子さんが産まれる前よりも処理できる事件が減るのでは?

う~ん、そんな感じはしないです。
子が産まれる前、若手の頃は事件処理に慣れていなかったからあまり多くの事件はこなせなかった。今は、仕事を割ける時間は短いけれど、弁護士経験を積んでいるから、事件処理の見通しが立つ。
今、振り返ると、若手の頃は、日中に集中して起案してなかったなぁ。鬼気迫る感じがなかった(笑)

 

Q.なるほど…。では、これから弁護士になろうとする女性の皆さんに一言いただけませんか?

育児をしながら本気で弁護士を続けたいなら、働く環境はきちんと考えないといけない。

ろくに産休・育休も取れずに、働くのは超人並みの気力と体力が必要。そうでないなら、働く環境はきちんと考えて選ぶこと。

弁護士業界には、研修や弁護士会の委員会は夕方から夜にやる、起案は夜にする…という常識がある。勉強だけなら気合いで何とかなるけれど、仕事と育児の両立は、気合いだけではダメ。きちんと考えて環境を選ばないと、しわ寄せは子どもにいってしまう。

育児中の女性が、昇進もやりがいもない、いてもいなくてもいい業務を当てがわれてしまう職場もあると聞いたことがあります。しかし、法テラスは育児中でも弁護士として扱ってくれる。私は、数ヶ月、まとまった休みがもらえるのもありがたいと思っています。
 

Q.だから、11年も勤務されているのですか?

はい。それだけではなく、自分はスタッフ弁護士に向いているなぁ~という気もしますし、それから、尊敬できる先輩や後輩がこれだけいるってすごい!と思っています。モチベーションを常にもらえる職場です。

あ、それから、育児についてもう1つ…。このたび、スタッフ弁護士の間で「育児メーリングリスト」が立ち上がったんです!育児に関する情報や悩みを持ち寄る場です。女性スタッフ弁護士だけでなく、育児中の男性スタッフ弁護士や育児を終えたスタッフ弁護士もメンバーにいるんですよ。

こんなことができるなんて、やっぱりすごいと思います。

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