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刑事事件にからむ司法と福祉の連携―離れた2つをつなぐひと 1

更新日:2018年6月28日

 法テラスには、スタッフ弁護士という専属の弁護士がいます。業務は、法テラスで行っている民事法律扶助事件、国選弁護事件が中心ですが、司法過疎地域では弁護士費用・報酬を依頼人から頂く一般の事件も引き受けます。全国82か所の事務所に計234名(平成25年9月1日時点)が赴任しています。
※スタッフ弁護士について詳しくはこちら

 スタッフ弁護士の活動として最近注目されているのが、「司法ソーシャルワーク」という活動です。例えば借金や離婚、労働等法的な解決を必要とする問題を抱えた方たちは、法的問題と併せて、医療、福祉、教育等様々な分野の専門職の援助が求められる問題を抱えている場合が少なくありません。その場合、弁護士等法律専門家が手助けをしただけで問題すべては解決しません。法律分野以外の専門家や関係機関と法テラスが連携し、様々な問題の解決に当たる必要があります。その取組が「司法ソーシャルワーク」です。
 法テラス広報誌「ほうてらす」21号(平成24年7月発行)の特集では、この「司法ソーシャルワーク」を成年後見や高齢者・児童虐待の分野において、地域の福祉関係者と連携しながら行っているスタッフ弁護士の活動についてお伝えしました。
※広報誌「ほうてらす」21号「スタッフ弁護士の活動から ご存じですか?司法ソーシャルワーク」はこちら
 今回は、刑事事件にからんだ「司法ソーシャルワーク」に取り組むスタッフ弁護士の活動についてご紹介します。

千葉で始まった司法と福祉の“フラット”な交流の場

 「累犯障害者」という言葉をご存じでしょうか。知的障害などがあって、犯罪を繰り返してしまう人のことを言います。平成24年に新たに刑務所に入った人のうち、知的障害の疑いがある「IQ相当値70未満」(IQ(知能指数):知的な能力を測る物差しの一つ。70未満だと日常生活に支障をきたす知的障害者の可能性が高いと言われている)と診断された人は全体の21%にのぼりました(法務省HPより。詳しくは外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。こちら)(外部サイト)
 この罪を犯した障害者の支援をテーマに、「千葉モデル」勉強会と称し、法テラス千葉法律事務所のスタッフ弁護士と千葉の福祉関係者を中心に勉強会が行われています。この勉強会の中心メンバーの一人として、法テラス千葉法律事務所長の遠藤直也弁護士がいます。
 勉強会は、平成24年9月、遠藤弁護士の前任の浦崎寛泰弁護士(現:法テラス本部常勤弁護士業務支援室専門員)が、裁判員事件の中で福祉関係者と連携したことをきっかけに立ち上げました。
 勉強会には、地域生活定着支援センター(※1)、中核地域生活支援センター(※2)、福祉施設などの職員と、千葉県内(法テラス千葉法律事務所を中心とする)の弁護士など約30名ほどが参加し、毎月定例で行われています。
 勉強会では、福祉側が抱える個々の支援対象者について、法的な問題の質問に弁護士が答えたり、また、弁護士側からも、障害の疑いがある被疑者・被告人と向き合った場合の対応方法や、コミュニケーションの取り方、障害があるかどうかの判断の仕方などを尋ね、話し合うことは多岐に及びます。

※1地域生活定着支援センター
厚生労働省で平成21年度から実施されている「地域生活定着支援事業」において、高齢又は障害を有するため福祉的な支援を必要とする刑務所退所者について、退所後直ちに福祉サービス等(障害者手帳の発給、社会福祉施設への入所など)につなげるための準備を、保護観察所と協働して進めその社会復帰の支援を推進する機関。平成23年度末、全都道府県に開設。
※2中核地域生活支援センター
子ども、障害者、高齢者等対象別に行われている福祉施策や相談事業を、ワンストップで迅速に行うため、千葉県が健康福祉センターの所管区域ごとに設置した機関。24時間365日体制で福祉サービスのコーディネート・福祉の総合相談・権利擁護を行う。


千葉モデル勉強会の様子

以下フッタです
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