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労働関係

目次

Q1 新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化したという理由で、就職が内定していた企業から、採用内定を取り消されました。

一般的には、採用内定取消しには、解雇と同様の厳しい条件が必要です。採用内定取消しが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となります。

  • 文書による内定通知を出している等、採用内定により労働契約が成立したと認められる場合には、採用内定取消しは解雇にあたり、労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用されます。
  • したがって、採用内定取消しについても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となります。
  • 今回の新型コロナウイルス感染症の影響による事業縮小を理由とする場合は、そうでない場合に比べて、採用内定の取消が認められる可能性が高いかもしれません。しかしながら、採用内定を取り消すにあたっては、基本的には解雇(整理解雇)と同様の事情が必要とされますので、安易な採用内定取消や便乗的な採用内定取消は認められません。
  • 詳しくは、総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家にご相談なさってください。

Q2 新型コロナウイルス感染症の影響により会社の業績が悪化したという理由で、解雇(雇止め)されました。

今回の新型コロナウイルス感染症の影響を理由とする、無条件の解雇や雇止めは認められません。

  • 解雇については、法律で個別に解雇が禁止されている事由(労働基準法第19条など)以外の場合は、労働契約法の規定や裁判例における以下のようなルールに従って適切に対応する必要があります。新型コロナウイルス感染症の影響がある場合も例外ではありません。
  • 整理解雇(経営上の理由から余剰人員削減のためになされる解雇)が有効と認められるかどうかは、(1)人員削減の必要性の有無、(2)解雇回避の努力義務を尽くしたか、(3)被解雇者の選定基準の合理性、(4)解雇手続の妥当性(説明、協議など)、の4つの事項を考慮して判断されます。
  • 雇用期間の定めのある労働者(有期労働契約者)についても、解雇に際しては、上記の4つの事項が考慮されます。のみならず、有期労働契約については、労働契約法で「使用者は、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」と定められており、雇用期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の場合に比べて、解雇はより厳格に判断されます。
  • 雇止め(有期労働契約の更新を使用者が拒むこと)についても、無条件に認められるものではありません。例えば、それまで有期労働契約が反復して更新されており、今回更新をしないことが、無期労働契約者に対する解雇と社会通念上同視できる場合などは、労働者からの更新の申込みを使用者が拒絶することは、厳しく制限されます。
  • 詳しくは、総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家にご相談なさってください。

Q3 新型コロナウイルスに感染し、会社を休んでいます。会社から休業手当は支給されるのでしょうか。

休業手当は支給されません。健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。

  • 新型コロナウイルスに感染した労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当は支払われません。
  • なお、労働者が被用者保険に加入しており、要件を満たすのであれば、健康保険から傷病手当金が支給されます。
  • 傷病手当金について、具体的な申請手続き等の詳細は、加入する健康保険の保険者(協会けんぽ、健康保険組合)にご確認なさってください。

Q4 職場で多くの従業員が新型コロナウイルスに感染しており、勤務中に私も感染して発症しました。

労災保険の給付が受けられる場合があります。

  • 業務又は通勤に起因して新型コロナウイルスに感染し、発症したものと認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
  • 詳しくは、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

Q5 新型コロナウイルス感染症の影響で会社の主催するイベントが中止になり、会社から休業を命じられました。休業手当を支払ってもらえるのでしょうか。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当を支払わなければなりません。他方で、「不可抗力」による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありません。「不可抗力」と言えるかどうかは、個別の判断になります。弁護士や労働組合に相談しながら、まずは会社と話し合ってみてください。

  • 労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。また、民法も、使用者の「責めに帰すべき事由」により休業した場合は、労働者に100%の給与請求権があると定めています(民法536条2項)。2つの法律は同じ言葉で定められていますが、最高裁は、労働者の生活保障等の観点から、民法上の請求が認められない場合でも、労働基準法26条の適用が認められる場合があるという判断を示しています(最判昭和62年7月17日民集第41巻5号1283頁)。
  • 他方で、不可抗力による休業の場合は、労働基準法26条によっても「使用者の責に帰すべき事由」による休業とはいえず、使用者に休業手当の支払義務はありません。
  • もっとも、不可抗力と認められる場合は非常に限られています。例えば、イベントの出演予定者が出演を辞退した場合であっても、使用者が代替手段等について検討を怠っていれば、使用者は休業を回避するために最善の努力を尽くしていないとされ、不可抗力ではなく、使用者の責に帰すべき事由による休業と認められることになります。この場合、休業手当を支払わないことは違法であり、労働基準監督署による行政指導の対象となり、罰則の適用もあります。
  • なお、新型コロナウイルス感染症による影響拡大に伴い、弁護士や労働組合等には、「100分の60では生活できない」という相談も数多く寄せられているようです。ケースによっては、労働組合が交渉を行い、民法の原則に則った100%の賃金が支払われている事例も見られます(下記、日本労働弁護団の特設ページをご参照ください)。
  • 厚生労働省も、企業向けのQ&Aにて、労働者を休業させる場合、労働者が安心して休暇を取れるよう100分の60を超えて賃金を支払うことが望ましいと述べています。今回の新型コロナウイルスによる影響で、使用者側も経済的に厳しい状況に置かれているケースが見られますが、使用者は雇用調整助成金など支援制度を活用することも可能です。なお、雇用調整助成金は、必要書類が多く申請が難しいといった批判を受けて、5月初めに申請が簡易化されています。
  • 詳しくは、労働組合などが行っている労働相談、厚生労働省が設置している総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家にご相談なさってください。

日本労働弁護団 新型コロナウイルス労働問題特設ページ
外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。http://roudou-bengodan.org/covid_19/(外部サイト)
 
厚生労働省
企業の方向けQ&A「新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。」
外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q4-1(外部サイト)

Q6 パート先(アルバイト先)からシフトを減らされてしまいました。何か補償はあるでしょうか。

休業手当はパート・アルバイトに対しても支払う必要があります。労働組合などを通じて、シフトを減らされた分全額の給与支払いを交渉することも考えられます。

  • 労働基準法26条の休業手当は、パート・アルバイトなどにも適用があります。また、前のQ&Aにあるように交渉によりシフトが減らされた分の100%の給与支払いを求めてパート先と交渉することも考えられます。
  • 詳しくは、労働組合などが行っている労働相談、厚生労働省が設置している総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家に、ご相談なさってください。

Q7 新型コロナウイルスワクチンを接種しなければ解雇すると言われました。接種しなければなりませんか。

接種を強制されるものではありません。

  • 新型コロナウイルスワクチン接種は、予防接種対象者の努力義務とされています。そのため、ワクチンを接種するかどうかは個人の判断に任されます。
  • ワクチン接種を拒否したことを理由とする、出向、懲戒、解雇等の処分については、使用者の「権利の濫用」として無効となる場合がありますので、詳しくは、総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家にご相談なさってください。
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