「振り込め詐欺」に遭い、お金を振り込んでしまいました。どうすればよいでしょうか。
更新日:2018年6月28日
直ちに、警察に被害届を出し、振込先銀行にも通報(届出)して、振り込んだ預金口座等の取引の停止(凍結)を依頼して下さい。
- まずは、直ちに警察に被害届を出し、振込先銀行にも通報(届出)をして、振り込んだ預金口座等の取引の停止を依頼してください(一般に「口座の凍結」と呼ばれています。)。口座が凍結されれば払戻がされなくなるので、その口座に預金残高が残っていれば、この口座預金からの被害金の回収が可能となる場合があります。
また、後に触れますいわゆる振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)による被害回復分配金の請求の端緒となります。 - 犯人への返還請求
犯人に対して振り込んだお金の返還請求をすることはできますが、一般に振り込め詐欺においては、犯人が判明しないことが多く(口座名義人=犯人ではありません)、誰に対して手続を行うのかが不明なので、犯人への返還請求は現実的には困難です。 - 銀行、口座名義人への請求
口座に残高が残っていても、被害者本人固有の権利として直接払戻しを受けることはできません。そこで、「債権者代位訴訟」を提起することによって、銀行へ払戻請求をすることが考えられます。
預金口座人にとっては理由無く口座にお金が振り込まれているのですから、被害者は、口座名義人に対して、振り込んだお金を返してもらう権利(不当利得返還請求権といいます。)を持っています。
他方で、口座名義人は、金融機関に対して預金の払戻請求権をもっています。そこで、口座名義人に対して不当利得返還請求権という債権を有している被害者が、口座名義人に代わり(「債権者代位」といいます)、口座名義人の口座払戻請求権を行使することで、被害金の回復を図ることが考えられます。
次に、事情如何によっては、口座名義人に対して損害賠償責任を問うことができる場合もありえます。
裁判手続をとりたい場合は、弁護士や司法書士等の専門家に相談するとよいでしょう。 - 振り込め詐欺救済法による救済
一定期間内に被害回復分配金の請求を行うことで、被害金の回復ができる場合があります。
詳しくは、振込先の金融機関にお問い合わせ下さい。 - さらに、刑事裁判で、犯人から犯罪被害財産をはく奪(没収・追徴)する判決が出た場合には、犯罪被害財産支給手続により、被害の全部又は一部に相当する額が給付金として支給される可能性があります。
ただし、給付金は、自動的に支給されるのではなく、手続を行っている検察官に対する申請が必要となります。
また、犯罪被害財産をはく奪(没収・追徴)した場合でも、支給手続にかかる費用等を考慮して、十分な資金が確保できないと検察官が判断した場合には、犯罪被害財産支給手続は開始されません。
支給手続が開始されたことや、支給対象となる犯罪行為の範囲等は、官報に掲載されるほか、検察庁のホームページ(外部サイト) でも公開されます。
また、検察官が、通知可能な被害者等を把握していれば、それらの方々へ個別に通知を出すことになっています。