今回の地震で、自宅建物の壁がはがれおちて崩壊してしまい、中が丸見えになってしまいました。近隣でこのような被害があったのは、私の家だけです。建築当時から建物自体に欠陥があったのではないかと思っています。このような場合、建物を売った業者に対して、修繕や建て替えを請求することはできますか。注文住宅であった場合は、請負業者に修繕や建て替えを請求することはできますか。
更新日:2018年6月28日
(建売住宅の場合)
売主に対して、損害賠償請求をすることができる場合があります。
一般的に、修繕を請求することはできないと解されていますが、解除が認められる場合があります。
(注文住宅の場合)
請負業者に対して、損害賠償請求をすることができる場合があります。
損害賠償請求とあわせて、または、損害賠償請求の代わりに修繕の請求をすることができる場合があります。
建替えに必要な費用相当額の損害賠償請求をすることが認められる場合があります。
(建売住宅の場合)
- 買主が住宅購入時に欠陥を知らず、かつその欠陥が買主としての一般的な注意を払っても発見できないようなものであった場合には、売主に対して、瑕疵(かし)担保責任を追及できます。
- このような瑕疵があるため契約の目的を達することができないときには、契約を解除することができます。また、損害賠償を請求することもできます。
- 瑕疵が契約の目的を達することができないほど重大でない場合には、解除することはできません。この場合でも、損害賠償は請求できます。
- これらの請求は、買主が瑕疵の存在を知ったときから1年以内に行使する必要があります。ただし、この期間は特約等で変更されている可能性があります。
- 隠れた瑕疵がある場合に、修繕を請求することができるかどうかについては、争いがありますが、瑕疵担保責任で請求することができるのは、損害賠償請求と瑕疵が重大な場合の解除だけで、修繕を請求することができないというのが一般的な結論です。ただし、平成12年4月1日以降に、新築の建物を購入した場合は、修繕請求も可能です。
(注文住宅の場合)
- 瑕疵がある場合には、請負業者に対して、修繕することを請求できます。ただ、瑕疵が重要でなく修補に多額を要する場合には、請求することができません。
- 瑕疵によって損害が生じているときには、瑕疵修補請求とともに損害賠償請求をすることができます。なお、損害賠償と請負の報酬請求は、同時に履行する関係にありますので、損害賠償の支払があるまで報酬支払いを拒むことができます。
- 建物について請負契約をした場合は、瑕疵が非常に大きく契約の目的を達することができないときでも、契約解除は認められません。この場合には、建て替えに要した費用を損害賠償請求することができると考えられます。
- なお、建物の種類や売買で取得したのか、請負で建築したのか新築か中古かいつ購入したのかなどによって、瑕疵担保責任を追及できる期間が異なりますので、注意が必要です。