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居場所のない子どもの居場所「みんなのひろっぱ」をつくったスタッフ弁護士 1

更新日:2015年1月16日

中島 香織(なかじま かおり)

平成19年弁護士登録。高知弁護士会所属。
東京外国語大学を卒業後、映画製作の仕事に携わったのち、弁護士を目指す。
現在、家庭の問題など幅広い法的トラブルの解決に携わる。持前の明るさとフットワークの軽さで地元の関係機関から厚い信頼を得て、法テラス高知でのスタッフ弁護士活動は7年になる。


 行政や福祉などの相談機関や法律家が協働して、経済的に余裕のない方たちが抱える複合的なトラブルの解決を目指す「司法ソーシャルワーク」。法テラスと関係機関をつなげる上で、司法ソーシャルワークを実践している高知の中島香織スタッフ弁護士にお話しをうかがいました。

 夜景観光を振興しようという団体が大阪城(大阪府)、高田城(新潟県)とともに日本三大夜城に選定した高知城。法テラス高知からは、その名城が事務所の窓越しに眺められます。平成27年で着任して7年目になり、地域包括支援センターや犯罪被害者支援センターなど、多くの関係機関の方たちとつながりができた中島弁護士。今では、講演やケース会議に呼ばれることが増え、一日の半分は法テラスの事務所にいないほどです。

まず、やってみる!


高知駅前の銅像

 私は、なにごとでも「まずやってみる」ことを常に心がけています。やってみることで、充実した支援につながり、関係機関との信頼が生まれると考えているからです。
 現在取り組んでいるのは、子どもに関する支援です。高知で弁護士の仕事を始め、民事・刑事などの事件を受任するなかで、少年事件において、貧困からくる虐待やネグレクトを感じることが度々ありました。なにから始めればいいのかわからない状況でしたが、それでもなんとかしたいという思いから、仕事でお会いする関係機関の方々に、子どもの置かれた現状や課題を聞きとり、支援に携わる方法を模索し続けました。

 そして、子どもの支援に関する勉強会で出会ったスクールソーシャルワーカー(以後SSW)(※)にもちかけられた1つの事件を解決したことがきっかけとなり、子どもにとって本当に必要な支援に取り組めるようになりました。

 それは、高齢のAさんが抱える複雑な問題でした。SSWと法テラスにやってきたAさんは、失踪した娘が置き去りにした孫を引き取ったけれど、年金をもらっていることを理由に、児童手当や児童扶養手当を打ち切られ、孫を養うお金がなく途方に暮れて、SSWに相談したといいます。

 ケース会議に参加し、経済的な援助、精神的なケア、孫の養育などの課題のうち、弁護士が介入することで解決に結びつく、生活保護の受給手続きの部分を担当することになりました。公的援助の仕組みなどをAさんに説明し、必要な手続きをとり、生活保護の受給に至ることで、Aさんの金銭的負担を減らすことができました。今では、生活が安定したことにより、孫との関係も以前より良好になったといいます。行政、福祉、法律家が連携することでAさんと孫が抱えるいくつかの課題が解決に向かったという事件でした。

 この経験をきっかけに、SSWや様々な関係機関の方に、弁護士が入ると法的手続きがスムーズに進むことを認識してもらい、相談を持ちかけられたり、勉強会に呼ばれたりと交流が深まるようになりました。多くの関係機関とつながることができ、連携によって解決する事件が増えたように思います。

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