今回の震災を理由に労働者を解雇・雇止めすることは、やむを得ない対応として認められるでしょうか。
更新日:2018年6月28日
震災を理由とする無条件の解雇や雇い止めは認められません。
- 解雇については、法律で個別に解雇が禁止されている事由(労働基準法第19条など)以外の場合は、労働契約法の規定や裁判例における以下のようなルールに従って適切に対応する必要があります。震災時といっても例外ではありません。
- 期間の定めのない労働契約の場合、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされます(労働契約法第16条)。
- 期間の定めのある労働契約の場合、使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができません(労働契約法第17条1項)。
- 整理解雇(経営上の理由から余剰人員削減のためになされる解雇)については、裁判例において、解雇の有効性の判断にあたり、以下の4つの事項が考慮されます。
(1)人員整理の必要性(相当の経営上の必要性)、(2)解雇回避の努力義務の履践、(3)被解雇者選定基準の合理性、(4)解雇手続の妥当性(説明、協議など)。