震災前に別居して、その後、離婚裁判を起こしました。裁判中に震災が発生して、津波で建物は流されてしまいました。土地の価値も下落してしまいました。それでも別居当時の財産価値を前提に、財産分与をしなければならないのでしょうか。
更新日:2018年6月28日
必ず別居当時の財産価値を前提に財産分与がされるとは限りません。
- 財産分与をいつの時点での財産を基準とするかについては、別居の時点を基準にする考え方と別居から期間が経過している裁判時(裁判の審理終結時)の財産を基準にする考え方があります。
- もっとも、民法上、財産分与の額等は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他「一切の事情を考慮して」決めることとされていますので、別居の時点を基準とする考え方であっても、別居後の事情を考慮する場合もありえます。
- 本件でも、別居後に、震災による不動産の消失や価値の下落という特殊な事情が生じていますので、そのような事情を考慮に入れた上での、財産分与がなされる可能性があります。