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被災者起点を忘れない。“法律”が被災者のためにできること。―宮城県亘理郡山元町― 2

更新日:2018年6月28日

山元町町民生活課 佐藤澄三郎(すみさぶろう)課長インタビュー

Q3.震災発生直後の自治体の取り組みについて教えてください。

 震災直後は、何より人命救助ということで自衛隊の協力を得て、取り残された方の救出にあたり、その後数日過ぎてからご遺体の捜索を開始しました。ご遺体を捜索するにも道路にはがれきが散乱していて、捜索が思うようにできる状況ではなかったので、自衛隊や地元業者、ボランティアで来ていただいた大手企業の方々の手を借りて、がれきを撤去し、道路を確保しながらご遺体の捜索にあたりました。どけたがれきは相当の量になりましたが、町の公有地が少なく置き場所に困り、私有地を借りてがれきを片付けながらご遺体を捜索しました。
 それと併せて、避難所を整備し、一番多い時では、約19か所に6,000人近い避難者がいました。当初は町役場は様々な対応に追われ職員のマンパワーも不足し、中々支援体制が整わず、被災者の食料、衣服が不足していました。そんな中、地元の農家、農協からコメの提供をいただき、避難者の方々への食事を提供しました。その後少し落ち着いてからは、自衛隊の炊き出しも入ってきましたので、食事部分ではある程度賄えるようになったのですが、住居をなくした住民が安心して生活できる場として仮設住宅が必要となり、11か所に約1,000戸を整備しました。平成23年8月頃までには、大部分の被災者が仮設住宅に入居されました。山元町には、JR常磐線を利用して、仙台や仙台近郊に通勤・通学している住民がたくさんおられますので、町を出てアパート等に借り住まいするという方も多くそこを「みなし仮設住宅」と指定し、移住した住民もおられます(みなし仮設は約900戸)。

Q4.現在、町の震災復興計画で取り組んでいることについて教えてください。

 山元町震災復興計画は、復興を目的とし、安心・安全に暮らせるにぎわいのあるまちを目指し、平成23年12月に策定しました。
 この計画では、内陸に移転するJRの新駅や公共施設などを核とした「町の顔」となる新市街地の整備を、「新山下駅周辺」「宮城病院周辺」「新坂元駅周辺」の3地区において行うこととしています。被災した住宅用地をこの3地区に集約することで、車を使わなくても日常の用事がおおかた済ませられるなど生活の利便性が高く、また住民の方々の負担を出来るだけ抑えて行政サービスの水準を維持できる「賢いまちづくり」を実現できると考えています。
 現在、新山下駅周辺の新市街地造成地では、災害公営住宅の建設が始まっており、50戸は既に入居いただいております。こちらは、宮城県で一番最初に入居可能となった災害公営住宅でもあります。山元町では平成27年度末までに全体で500戸(平成25年9月現在)の災害公営住宅を整備する予定です。
 被災者の方が一日でも早く生活が再建できるよう、災害公営住宅及び新市街地の整備にあたっては、速やかに用地を取得し、設計と工事を一括で発注してスピードアップを図るなど、工事の早期完了に努めています。

※災害公営住宅
公営住宅法に基づき県や市町村が整備し、自宅を失った被災者に安い家賃で恒久的に貸し出す住宅。東日本大震災では、国の復興交付金から建設費の8分の7がまかなわれる。維持・管理費は自治体の負担。入居に所得制限はないが、家賃は所得によって異なる(個別で住宅を構えたい住民向けには災害公営住宅とは別に土地を区画し自治体が住民へ売る分譲地がある)。

※本図はJR東日本水戸支社提供による。新旧線路説明矢印(黄色)は法テラスにて挿入。

(左)完成し入居が始まっている災害公営住宅 (右)現在建築中の災害公営住宅(戸建式)

※震災法律援助業務による無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替については、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(震災特例法)」の失効により、令和3年3月31日新規申込受付を終了しています。

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