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被災者起点を忘れない。“法律”が被災者のためにできること。―宮城県亘理郡山元町― 4

更新日:2018年6月28日

山元町町民生活課 佐藤澄三郎(すみさぶろう)課長インタビュー

Q8.法テラス山元に最近持ち込まれる、町の復興施策に関連する相談について教えてください。

 JRの内陸移設計画が出た後、移転が求められるエリアに自宅が入っていることに気付いた人が、移転元地に関する権利関係の相談を法テラスへ多く持ち込んでおられるようですが(相続手続きが完了していないと町は宅地を買い取れない)、用地買収や集団移転の手続きが始まって初めて、未登記であることに気づいたり、相続登記が済んでいない土地があることに気づいたりするケースもあります。
 今後、集団移転のための土地買い取りや、買い取りして公有地になった土地を土地改良の手法で集積する事業を行う予定です。現在、住民に説明をし、同意をとる段階ですが、その中で未登記や抵当権が付いているなど土地を巡る法的問題が出てくるので、法テラスへの相談が増える可能性があると考えています。

Q9.法テラス山元への要望について教えてください。

法テラス山元職員 左から鈴木さん、小泉主幹、玉澤さん

 法テラス山元の小泉主幹は町役場出身で、私の先輩です。役場での経験が長く、町民の方々も小泉さんをよく知っているので、住民の方が法テラスに行きやすい雰囲気になっていると思います。町と法テラスとのつながりでは、役場のことを知っている人間が法テラス側にいることで、大変スムーズな連携ができています。
 町の予算は、一般会計で50億から55億程度だったのが、復興関連予算がついて、平成24年度では710億円程度の決算額になっています。過去の十数倍規模の事業を行っていますので、少ない町職員だけでの対応は難しい状況にあります。特に、土木や建築分野で人手が足りず現在全国の自治体からも任期付で96名の職員を派遣してもらっています。元々の町役場職員が170名ですから、来てくれている方々のおかげで、何とかこの予算規模の事業が動かせていると思います。しかしながら、専門知識を持つ人がいる職種は限られており、幅広い分野の専門家に相談する場として、住民だけではなく、町役場職員も気軽に利用できるようなところがもっとあればいいのにと思います。役場職員への法的助言についても、法テラスで門戸をもっと開いていただければ助かります。
 町の産業は、水田・いちご畑などの集約・産地施設の整備を行うことにより、少しずつ生産・出荷が始まっており、休漁している漁業も再開に向け準備しています。未だ多くの住民が仮設住宅での生活を強いられる中で、住民が抱える様々な問題解決とともに、町職員が抱える課題解決について、法テラスに息の長い支援をお願いしたいと思います。

生産を開始したいちご農家のビニールハウス

山元ふれあい産業まつり(11月23日)へ法テラス山元がブースを出展した様子。職員が、法テラスマークを用いた“迷路”を作成し、当日多くの子供たちに楽しんでもらった。

※震災法律援助業務による無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替については、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(震災特例法)」の失効により、令和3年3月31日新規申込受付を終了しています。

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