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被災者起点を忘れない。“法律”が被災者のためにできること。―岩手県上閉伊郡大槌町― 2

更新日:2018年6月28日

大槌町役場民生部町民課 中村一弘課長インタビュー

Q.震災発生直後の町役場の動きついて

 震災が起きた時、私は新潟県にいました。新潟でも震度6の強い揺れで、初めはてっきり新潟県沖の地震だと思っていました。携帯電話も繋がらない状況でしたし、テレビを見てもラジオをつけても情報が全く入ってきませんでした。その時、大槌町は既に電気などのライフラインが停止していたので情報が届いてこなかったのだと思います。そんな中、岩手県沖でも大地震が発生したと分かり、急きょ車で夜通し一般道を走って大槌町まで帰ってきました。高速道路は使えなかったので、自衛隊によって瓦礫の撤去が始まっていた主要道路(一般道)を使うしかありませんでした。翌日の朝10時ごろに大槌町に戻り、災害対策本部が設置された中央公民館に向かいました。そして、休む間もなく町民の避難の救助対応にあたりました。 まず災害対策本部では、救援物資の受けとりと分配・犠牲者の方への対応・避難所の運営と大きく3つの分野に業務が分けられました。私はその中で犠牲者の方への対応を担当することになりました。犠牲者対応というのはご遺体への対応です。3月~9月までの間担当していました。それと同時に自治体としては町長も含め役場職員から40名の犠牲がでましたので、組織体制を早く整える必要がありました。そこで4月1日から町民課の課長となり、4月以降は震災業務にプラスして町民課として窓口業務も行うことになりました。震災業務ですと、町民課では自衛隊の募集も行っておりますので、自衛隊との連絡調整も行ないました。

Q.住民の様子はどうでしたか。また、役場へ寄せられる声はどんなものでしたか。

 地震が発生してからしばらくの間はとにかく町民はパニックになっていました。家もない、家族も亡くなってしまい頼るところがなく不安を抱えている方々が多かったです。「とにかく誰かに話がしたい!」と役所の窓口に毎日大勢の方がお話にやってきました。役場に来れば安心するのでしょうか、公的なことだけでなく私的なことも皆さんお話になりました。町民課は窓口業務なので、窓口にお越しの方の悩みや困りごとを少しでも緩和できるように、とお話は全部お聞きしようと思いながら取り組みました。いくらかでも積もっていたものを出して、楽になって帰ってもらいたい、という気持ちでいました。
 相談以外にも窓口には必要書類を取りに来る方も多くいらっしゃいました。特に様々な手続きに必要な住民票を取るために1日に100~150人もの方々が窓口に列をなしていました。今までにない経験でしたので統制をとるのが大変で、番号札を配ったり、1日で対応しきれず翌日に回したりすることもありました。

大槌町役場入口。駐車場の一角に法テラス大槌がある

※震災法律援助業務による無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替については、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(震災特例法)」の失効により、令和3年3月31日新規申込受付を終了しています。

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