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法テラス東京法律事務所だより 2024年3月
四ツ谷のげんばから
「生活費を下ろせなくて困っている人がいます・・・」
とある区役所の職員さんからお電話をいただきました。
- Aさんは、一人暮らしの70歳代女性で、収入はありません。
- Aさんの母親はすでに他界しており、音信不通の妹がいます。
- Aさんは、自宅で寝たきり状態の90歳代の父親の介護をしつつ、父親の同意を得た上、父親の口座を家計の管理に用いていました。
- 父親が亡くなり、銀行口座が凍結されてしまいました。
- Aさんは、口座から生活費を下ろせなくなり、生活に困窮してしまいました。
- 職員さんはAさんが生活保護を受けられるのではないかと検討しましたが、Aさんによると、父親の口座に巨額の資産があるそうです。
- 今後の手続きをどうすればよいのか職員さんから 「ホットライン」をいただきました。
職員さんには下記のとおりアドバイスしました。
預金の仮払制度があるため、
相続開始時の預貯金額×3分の1×法定相続分
については遺産分割を待たずにAさん単独で出金することが可能です(上限は各金融機関あたり150万円です)。Aさんは、この仮払制度を活用すれば遺産分割をしなくても、銀行からお金を引き出すことができ、当面の生活費を確保できます。詳細については、法テラスの法律相談を利用することをお勧めします。
なお、法定相続人はAさんと妹の2名なので、両名で遺産分割について話し合いがまとまれば、遺産分割協議書を作成したうえで、銀行から預金残額を下ろすことになります。話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所での遺産分割調停という制度が利用できます。
“こんなとき、どうしたらいいだろう・・” などお悩みのことがありましたら、お気軽に「ホットライン」をご利用下さい。
<このお話は実例を参考にしたフィクションです。>
ホットラインご利用のご案内
当事務所では、常勤弁護士が福祉・医療関係のお仕事をされている方々に(※1)電話情報提供サービスを行っています。ご本人を支援する方でお悩み(※2)がありましたら、ぜひご利用ください(ご担当ケースにおけるご本人のお名前等をお話いただく必要はありませんので、まずはお気軽にお問い合わせください)。
ご利用時間帯 平日 午前10時から午後5時
お問合せ先電話番号 050-3383-0202
よくあるお問合せ 成年後見制度、相続・遺言、債務整理、生活困窮、離婚、賃貸借トラブル、
消費者被害、法テラス利用方法など(※3)
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※2 最終的にはご本人のために、そのお悩みについて解決の道筋をつけることが目的です。
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