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法テラス東京法律事務所だより 2024年4月
四ツ谷のげんばから
「本籍地が思い出せない・・・」
とある福祉事務所の職員(ケースワーカー)さんからお電話をいただきました。
- Aさん(70歳代・一人暮らし)は長年にわたり路上生活を送ってきましたが、体力的に厳しくなってきたので、生活保護受給申請を行いました。
- Aさんが介護保険制度の利用をしようとしたところ、住民票所在地も本籍地も不明なので受け付けられないと言われてしまいました。
- Aさんは、認知症で過去のことが思い出せず、本籍地はもちろん、住民票所在地も全く分からないとのこと。ケースワーカーは、生活歴を聴き取り、Aさんが住んでいた覚えがある市区町村へ本籍や住民票の照会を行いましたが、いずれも不明との回答でした。
- ケースワーカーは、何か手段はないかと、法テラスのホットラインを利用しました。
Aさんのように、本籍地が全く分からない場合、就籍許可の審判により、新しい戸籍を作成できる可能性があります。
就籍許可の審判とは、家庭裁判所に申立てをして、新しく戸籍を作る許可をもらう手続きです。記憶喪失等により本籍地が全く分からない場合でも、申立ては可能です。就籍許可の審判を経た上で、無戸籍の方が、市区町村の戸籍窓口に必要書類を提出することによって、無戸籍の方の新戸籍が作られます。
Aさんは、どうしても本籍地を思い出せず、調査をしても本籍地がわからなかったので、就籍許可の審判を申し立てることにしました。そして、Aさんは、無事、就籍許可の審判を経て、新しい戸籍を作成することができました。
“こんなとき、どうしたらいいんだろう” と思われましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
<このお話は実例を参考にしたフィクションです。>
法テラス東京法律事務所だより 4月号 [PDFファイル/148KB]
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