法テラス東京

法テラス東京法律事務所だより 2024年12月

四ツ谷のげんばから

 「数十年前に借りて放置していた借金の請求が来た…」​

高齢者の入所する老人ホームの職員の方から連絡をいただきました。

  • 入所されている高齢者のもとに、貸金業者Aから約300万円の督促状が届きました。
  • 督促状の記載と本人からの聴取りによれば、本人が数十年前にA社より30万円を借りて一度も返していないこと、放置していたため莫大な遅延損害金が計上されていることがわかりました。
  • しかし、本人の収入は年金のみで、預貯金もなく、到底支払うことはできません。
  • 督促状には「2週間以内に連絡すること」「連絡がない場合、法的措置をとる場合があること」が記載されています。
  • もう時間がありませんし、借りたまま放置していたのは事実のようですので、取り急ぎ本人から連絡させて、支払えない旨の説明をさせようと考えています。

 

 長年取引をしていない古い借金について請求が来た場合、まずは消滅時効の可能性を考えることになります。

 一般的な貸金業者からの借入れを例にすると、最終取引日(最終弁済日等)から5年が経過し、その間に裁判を起こされたり弁済の約束をしたりするなどしていない場合、借主等が貸主に消滅時効を援用(主張)することによって、その債権は消滅し、弁済をしなくて良いことになります。

 気を付けるべきことは、慌てて債権者に連絡をとらないことです。債権者に連絡を取って、少額でも弁済してしまったり、弁済の約束ととれるような発言をしてしまったりすると、消滅時効の援用が認められず、遅延損害金を含め支払わなければならなくなる場合もあります。

 古い借金についての請求が来た場合は、御自身で債権者に連絡をとったり支払ったりせず、お早めに弁護士に御相談ください。消滅時効期間が満了している場合、債権者に対し内容証明郵便等で消滅時効援用通知書を送るなどの対応をすることにより、債務が消滅します。また、「もう債権者に連絡してしまった…」という場合でも、対処できる場合がありますので、諦めずに御連絡ください。

 また、法テラスでは、比較的安価に消滅時効援用通知書を作成する援助も行っていますので、お問い合わせいただければと思います。

“こんなとき、どうしたらいいんだろう”と思われましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

<このお話は実例を参考にしたフィクションです。>

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