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法テラス東京法律事務所だより 2025年2月
四ツ谷のげんばから
「自宅の立ち退きを求められている」
区の職員さんからお電話をいただきました。
- Aさん(70代)は、長年、Bアパートに住んでおり家賃を滞りなく払っていました。
- ある日、Aさんは「Bアパートを建て替えることにしたから、自宅を立ち退いて欲しい。6か月間は住み続けてもいいから、その間に転居先を探してくれ。」と大家さんから言われました。
- Bアパートは、確かに古びているものの、老朽化している、建て替えないと人が住めないとまではいえない状態です。
- Aさんは「Bアパートから転居すること自体は構わない。ただ、年齢的に転居先を見つけるのは難しいし、転居先が見つかっても転居費用がない。」と不安そうにしています。
- 職員さんは、どう対応するか悩み、法テラスのホットラインを利用しました。
賃貸人が賃借人に対して建物の賃貸借契約の解除を申し入れるときには、「正当事由」があると認められる場合でなければならないとされています。そして、「正当事由」の有無は、(1)建物の使用を必要とする事情、(2)建物の賃貸借に関する従前の経緯、(3)建物の利用状況及び建物の現況、(4)立退料の提示といった要素を総合考慮して判断することになります。
Aさんのケースの場合、正当事由がないため解除は難しいように思われました。そこで、法テラスの無料法律相談の上、弁護士がAさんの代理人となり、大家さんと交渉を行うこととなりました。その結果、大家さんから、大家さんがAさんの要望に合う転居先を見つけて確保した上、転居にかかる費用相当額の立退料の支払いをする旨の提案がありました。Aさんは、この内容であればBアパートからの転居に応じてもよいと考えるに至り、この内容で合意をすることとなりました。
Aさんと大家さんとの間で引っ越しをする約束をしてしまった後だと前記のような交渉は難しかったと思われます。対応に迷ったときは、ぜひすぐにご相談ください。
<このお話は実例を参考にしたフィクションです。>
法テラス東京法律事務所だより 2月号 [PDFファイル/144KB]
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