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2019年度

更新日:2020年6月17日

目次

※掲載内容は、掲載当時の法制度情報に基づくものです。現在の法制度とは異なる場合がありますので、ご注意ください。

【2020年2月】新型コロナウィルスの影響により、この春に就職が内定していた会社から業績が悪化したことを理由に、内定を取り消すとの連絡がきました。このような状況であるため、仕方ないことなのでしょうか。

コメント
一般的に採用内定通知を承諾した場合は、労働契約が成立したと認められるので、採用内定取り消しは解雇にあたり、労働契約法第16条の解雇についての規定が適用されることになります。したがって、通常の解雇と変わらず、採用内定取消についても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となります。採用内定の取り消しは、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが客観的に合理的であり、社会通念上相当である場合に限って、認められます。
具体的には、(1)採用予定人員の削減が必要であること、(2)使用者が内定取消を回避する努力を行ったこと、(3)内定取消対象者の人選が適正であること、(4)対象者と誠意をもって協議したことが必要であり、これらの条件を充たさない限り、内定取消は無効とされています。経営悪化を理由にする内定取消は企業側に新規採用を不可能とするような予測不能な経営事情が発生した場合を除き、それを予測しなかった会社にも責任があるとされ、一律には認められていません。
詳しくは最寄りのハローワーク・労働基準監督署に相談してみてください。

【2020年1月】海外旅行を予約していたが、新型コロナウィルスが流行しているため、キャンセルを考えているが、このような場合でもキャンセル料はかかるのでしょうか。そもそもキャンセル料とはなんですか。

コメント
一般的に、キャンセル料とは、契約解除に伴う損害賠償額の予定又は違約金のことを指します。契約を一方的に解除する場合、当事者間での合意や契約の定めによって、キャンセル料が発生するか否かや、発生する場合の金額が決定することになります。
キャンセル料の存否や額については、まず当事者間での契約や約款に従いますので、海外旅行を申し込まれた際の、契約書や約款を確認する必要があります。
また、天災地変などの不可抗力によって旅行をキャンセルせざるを得なかった場合には、キャンセル料を免除する規定が契約・約款に定められている場合もありますが、個別具体的なケースでキャンセル料が生じるか否かは、消費生活センターや弁護士などにご相談されるとよいでしょう。

【2019年12月】一戸建てを賃借して住んでいました。台風の被害にあった後に解約して退去しましたが、原状回復費用に充てたと言われ敷金を返してもらえません。また、台風の際に、建物の壁にひびが入っており、逆にその修繕費を請求されました。どうしたらよいでしょうか。

コメント
賃借人は、建物を明け渡す際に原状回復して返す必要がありますが、これは、新築で借りた場合に新築同然の状態にして返さなければならないという意味ではありません。普通に生活し、建物を使用していたならば、そのままの状態で返還すればよいというのが一般的です。通常の生活を送るうえで発生した損耗については、敷金から修繕費用等が控除されることはないのが原則です。
敷金から修繕費などが控除される場合があるのは、借家人の不注意や故意、通常ではない使用方法で傷ついたり汚れたりした場合です。
また、賃貸人は賃貸物の修繕義務を負っており、災害による損傷については、賃貸人が修繕すべきものですので、賃借人が負担する必要はありません。賃貸借契約の特約で、「賃借人が修繕を行うこと」とされている場合も多いのですが、一般的には、このような特約は、通常生じる程度の損傷を対象としていると考えられるため、災害による壁の損傷までは含まれないと解されます。
詳細については、弁護士に相談するとよいでしょう。

【2019年11月】台風で自宅の屋根瓦が飛ばされ、隣家の車を傷つけてしまいました。私に責任がありますか。

コメント
個々の事情によって、生じた損害(車の修理費など)を賠償する責任を負うかどうか、判断が異なります。
屋根は建物の一部として、工作物責任(民法717条)という民法上の特別の責任の対象となります。
工作物責任とは、土地の工作物(塀、屋根瓦、看板など土地上に人工的に設置された物)が壊れて他人や物を傷つけた場合に、その工作物の「設置または保存」に瑕疵(=通常備えるべき安全性を欠くこと)がある場合には、持ち主(所有者)やそれを管理していた人(占有者)に損害賠償責任が発生するという、法律上の特別な責任です。この責任に関しては、特に災害が起きた場合に責任が免除されるといった規定はありません。
ただし、台風で屋根瓦が飛ばされて隣家の車を壊してしまった場合でも、予想外の大災害の場合には、瑕疵との因果関係がないとの理由で、賠償責任が否定されることもあります。台風で屋根瓦が飛ばされたから、直ちに瑕疵があるという判断にはならず、瑕疵の有無の判断は、所有者の故意・過失にかかわらず、客観的に判断されます。
詳しくは、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

【2019年10月】台風で住んでいた建物が壊れてしまい、このまま住める状態ではないため、契約を解除して引っ越しをすることにしました。この場合、敷金を返還してもらうことはできるのでしょうか。さらに、大家さんに引っ越し費用を請求することはできるでしょうか。

コメント
賃借人の責任ではなく、災害により建物の一部が壊れてしまい、残りの建物の状況では居住の目的を果たせない場合には、賃借人は賃貸借契約を解除することができます。
敷金は、家を明け渡すときまでに支払っていない未払賃料などの修繕費用など、賃借人が負担する債務を差し引いて、残金を返還してもらうことができます。
一般的に、通常の使い方をして、年月の経過により、畳や建具が古くなった場合など、自然の劣化や通常の消耗については、敷金から差し引かれる債務には含まれません。
ただし、災害により建物が壊れたことについて、賃貸人の責任があるとはいえない場合が多いでしょうから、契約を解除して引っ越すとしても、一般的には引っ越し費用を賃貸人に対して請求することはできないでしょう。

【2019年9月】今回の台風15号の影響で、自宅に隣接している倉庫の屋根が飛ばされてしまい、隣家の車を傷つけてしまった。自然災害の場合であっても、保証する責任があるだろうか。

コメント
基本的には、車の修理費等の生じた損害を賠償する責任を負います。ただし、建物が本来備えるべき安全性があったことを立証できれば、責任を免れる場合もあります。
屋根は建物の一部として、工作物責任(民法717条)という民法上の特別の責任の対象となります。工作物責任とは、土地の工作物(塀、屋根瓦、看板など土地上に人工的に設置された物)が壊れて他人や物を傷つけた場合には、その工作物の「設置または保存」に瑕疵(欠陥)がないといえない限り、持ち主(所有者)やそれを管理していた人(占有者)に損害賠償責任が発生するという、法律上の特別な責任です。この責任に関しては、特に災害が起きた場合に責任が免除されるといった規定はありません。
強風・豪雨、地震などが発生したときに、工作物の瑕疵(本来備えるべき安全性を欠いていること)によって損害が発生または拡大した場合には、所有者や占有者は、その瑕疵が損害発生または拡大に影響を及ぼした程度に応じて責任を負うこととなります。
ただし、当該工作物が本来備えるべき安全性を有していたことが立証できた場合には、工作物に瑕疵は認められず、所有者ないし占有者は、その責任を免れます。瑕疵の有無の判断は、所有者の故意・過失に関わらず、客観的に判断されます。
例えば、強風により周囲の建物全部の屋根が飛ばされている状況であれば免責されますが、自分の建物の屋根だけが飛ばされたということになれば、屋根の設置・保存に欠陥があったと考えられる可能性があります。
隣人との関係もあるため、どのように進めるべきか、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

【2019年8月】普段は使用していないカードが不正利用され、スマホゲームの課金に使われたらしく、クレジットカード会社から100万円近い金額の請求を受けている。どこで情報が漏れたのかわからず、金額も大きいため、途方に暮れている。この請求額を支払わなければならないだろうか。

コメント
まず一番始めにすべきは、クレジットカード会社に連絡し、クレジットカードの利用を停止してもらうなどして、今後の被害を防ぐことです。その際に、不正利用された分については、クレジットカード会社の保険が適用される余地もありますので、保険の利用についても確認するとよいでしょう。
ただし、クレジットカードおよびカード情報の管理の状況によっては、保険対象外となる可能性もありますので、ご注意ください。
保険の適用が無い場合、クレジットカードが不正利用されていたことを理由に、クレジットカード会社に責任を追及して補償を求めるのは、クレジットカード会社が利用した者が当事者本人ではないと知りながら利用を許したというような事情でもない限り、困難と考えられています。
クレジットカード会社の対応に納得できない場合や実際に利用した者を特定したい場合にどのような対応が考えられるかは、弁護士等に相談するとよいでしょう。

【2019年7月】借金の返済を求めるハガキが夫宛に届きました。夫に話を聞くと、全然身に覚えのない借金のようで「放っておけ」と言われました。架空請求のニュース等はよく見ますが、実際に届くと不安です。どうしたらよいでしょうか。

コメント
借金自体に全く身に覚えがなければ、架空請求の可能性がありますので、対応する必要はありません。しかし、過去に利用した金融業者とは異なる会社からの請求の場合、架空請求でなく、実際の債権者(債権回収会社等)からの請求である可能性もありますので、よく確認しましょう。
もし裁判所を名乗っている場合、通常は裁判所からの書類がハガキで届くことはないことを覚えておきましょう。裁判所から「支払督促」や「訴訟の呼出状」が送られる場合には、「特別送達」という特別な郵便により送付されることになっています。これは郵便局職員が受取人本人に手渡すことが原則で、郵便受けに入れられることはありません。
どちらにしても、発送元や記載されている連絡先に不用意に連絡を取ることは、より詳しい個人情報を相手に知られてしまう可能性もあるので避けましょう。
まずは、その発送元が正しい連絡先であるのか、電話帳や消費生活センターなどで確認するようにしましょう。

【2019年7月】私が亡くなった後に争いにならないよう遺言書を残そうと考えている。自分でも調べているが、どのような要件があるのか、いまいち分かりづらい。自分で遺言書を作成する際の注意点はあるか。

コメント
自分の手で書く遺言書を自筆証書遺言といいます。これにはまず、遺言の全文、日付、氏名を自書した上で、押印する必要があります。遺言の全文、日付、氏名のいずれかが欠けている、記載が不完全な場合は有効な遺言とはなりません。また、他人に代筆してもらったり、パソコンで作成した場合も無効です。
ただし、2019年1月13日以降に作成された自筆証書遺言は、財産目録については、パソコン等で作成してもよく、他人に作成を依頼したり、通帳のコピーを添付してもよいとされていますが、この場合は財産目録の各ページに署名押印する必要があります。
自筆証書遺言は、1人で作成できる簡便さがある反面、偽造されやすいこと等から厳格な要件が定められています。内容について不安がある場合は、弁護士や司法書士等の専門家へ相談するとよいでしょう。

【2019年6月】友人から携帯電話を売ったらお金が入ってくるという儲け話を持ち掛けられ、自分の名義で6台契約し、友人に渡した。料金を支払う必要はなく、むしろお金が入ってくるということだったが、その後、友人と連絡が取れず、携帯料金の支払いだけ残っている。

コメント
他人への携帯電話やPHSの譲渡は、携帯電話会社所定の名義変更の手続を行わない限り、認められていません。
渡してしまった携帯電話は犯罪行為に利用される可能性もあります。携帯電話をだまし取られてしまったら、早急に携帯電話会社で利用停止等の措置を取り、警察等に相談してください。
自分で使うつもりがなく購入代金や利用料金を支払うつもりもないのに携帯電話を契約した場合、携帯電話販売店に対する詐欺罪が成立する可能性もありますので、まずは、今後どのような対応が必要か、弁護士等の専門家に早急に相談しましょう。
お金儲けができるといった勧誘や融資の条件として必要などと申し向けて、携帯電話の契約をさせて携帯電話をだまし取ろうとする詐欺もありますので、注意しましょう。

【2019年6月】高齢の父が車を運転しており、いろいろと心配している。父も最近のニュースを見て考えているようだが、運転をやめるつもりはなさそうだ。このような場合、家族が強制的に免許を返納させることはできないのでしょうか。

コメント
運転免許の自主返納制度は、加齢に伴う身体機能や判断力の低下などにより、運転への不安を感じている方などが、自主的に運転免許を返納する制度です。この制度は、交通事故の防止を目的とするものであり、あくまで運転者の自主的な意思に基づく制度です。高齢者に免許の返納を義務付けるものではないため、高齢者の親に自主返納を強制することはできません。
なお、自主返納を行った場合、申請によって「運転経歴証明書」の交付を受けることができます。これは運転免許を返納した日からさかのぼって5年間の運転に関する経歴を証明するもので、公的な身分証明書として一生涯利用することができます。また、65歳以上の方は、証明書を提示することで、路線バスやタクシーの運賃割引を受けられたり、各民間・公共施設において割引等のサービスが受けられたりする場合があります。詳しくは、各地の運転免許センターや各警察署にお問い合わせください。

【2019年5月】私の夫が繁忙期であるということで、ここ数か月の残業が多く、過労で倒れてしまうのではないかと心配している。毎日、終業間際に上司から残業を指示されているようですが、従わなくてはいけないのでしょうか。

コメント

法定労働時間を超える労働は、「36協定」(さぶろくきょうてい)の締結及び労働基準監督署長への届出が必要となります。36協定とは、使用者が労働基準法の定める労働時間・休日を超えて労働者を使用するために、労働者の過半数で作った労働組合(そのような労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者)と書面で締結した協定のことです。この要件を満たし、かつ、就業規則や労働協約に時間外労働を命じることができることが規定されていれば、原則として使用者の業務命令に従う必要があるとされていますが、いくらでも残業をさせることができるわけではありません。まずは、会社の就業規則等で残業についてどのように規定されているかを確認し、労働基準監督署や弁護士等に相談することも考えられます。

【2019年5月】法律相談に行く場合は、どのような書類や資料を持参するとよいのでしょうか。

コメント
どのような内容の相談をするのかによって変わります。
まず、債務整理についての相談であれば、どこからどのくらい借入れを行っているのかがわかる債務一覧表や債権者からの督促状等を持参するとよいでしょう。
そのほか、離婚についての相談であれば、離婚を考えるようになった経緯を整理したメモや離婚原因と考えられる事実の証拠になると思われるもの、相続の相談であれば、亡くなった方との関係がわかる相続関係図、解雇や未払い賃金の労働問題での相談の場合は、労働契約書や就業規則等があれば、持参するとよいでしょう。
これらの資料や書類が手元にない場合でも相談は可能ですが、法律相談は時間も限られていることが多いため、ある程度整理しておくと相談はスムーズです。
相談する弁護士等が決まっている場合は、事前に連絡をとって、必要な書類を確認しておくことをお勧めします。

【2019年4月】先日、交通事故にあった。私が横断歩道を渡っていた時に、右折してきた車と接触し、転倒した。そのときは大したケガではないと思ったため、連絡先を交換しただけで終わった。しかし、翌日から首と手に痛みがあり、病院に通い、仕事を1週間休むこととなってしまった。相手方にどこまで請求していいか悩んでいる。訴えることまでは考えていない。

コメント
裁判手続によらず、当事者間で話し合い、双方の合意により民事上の解決をすることを示談といいます。示談するための金額は、示談する内容や具体的な事情によって変わりますので、決まった基準はないとされていますが、交通事故については、多くの事例の蓄積から慰謝料等について一般的な基準が文献となっているため、交通事故等の事案ではそれらを参考にすることができます。
また、請求できる範囲については、一般的には、交通事故で傷害を負った場合、治療費のほか、通院に要した交通費や休業したことにより得られなくなった給料、治療期間の精神的な苦痛についての慰謝料等の所得なども請求することができると考えられますが、損害額の計算については、複雑な計算式がありますので、詳しくは弁護士に相談することをおすすめします。

【2019年4月】インターネット上の広告を見て、化粧品を購入した。980円という表示だったが、初回に限った金額であり、継続的に6回購入しなければならず、合計すると3万円ほどの金額となってしまうことに気付いた。キャンセルを申し出たが「インターネット通販でクーリングオフはできない」と言われたが、どうしたらよいか。

コメント
通信販売については、クーリングオフの制度がありませんが、商品の広告に返品の可否、返品の条件及び返品に係る送料負担の有無の記載がない場合や、購入申込み画面にこれらの事項の表示がない場合は、解約(返品)が可能です。
事業者が消費者に対して通信販売を行う場合には、商品の広告に返品の可否、返品の条件及び返品に係る送料負担の有無を明記することになっており、消費者からインターネット上で商品の注文を受けるときは、これらの事項を購入申込み画面にも表示することが特定商取引法で義務付けられています。
広告等に適正な表示がない場合は、商品到着後8日以内であれば解約(返品)が可能です。
詳しくは、お近くの消費者センターや、弁護士、司法書士等の法律専門家に相談するとよいでしょう。

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