今回の震災に伴い、事業活動が縮小しています。来年度からの採用を予定している者について、内定を取り消すことはできますか。
更新日:2018年6月28日
一般的には、内定取消しには、解雇と同様の厳しい条件が必要です。
採用内定取消しが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となります。
- 文書による内定通知を出している等、採用内定により労働契約が成立したと認められる場合には、採用内定取消しは解雇にあたり、労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用されます。
したがって、採用内定取消しについても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効となります。
震災による事業縮小を理由とする場合、通常時よりは認められやすくなるとは思われますが、基本的には整理解雇と同様の事情が必要であり、安易な内定取消や便乗的な内定取消は認められません。 - なお、採用内定により労働契約が成立したと認められる場合に、やむを得ない事情により採用内定取消しを行おうとする場合には、使用者は解雇予告等労働基準法に基づく解雇手続を適正に行う必要があります。また、採用内定者が採用内定取消しの理由について証明書を請求した場合には、遅滞なくこれを交付する必要があります。